多くの企業が課題としているIT人材不足。IT人材を採用するためには、彼らがキャリアに何を求めているのか知る必要がある。人材紹介事業を手掛けるレバテック(東京都渋谷区)のリクルーティングアドバイザー芦野成則氏が、企業への調査結果を基にIT人材の実像を解説する。
ITエンジニアは「社会人3年目」で転職を考える――こうした傾向が明らかになっています。
IT人材への需要が高まる中、企業としては採用の強化はもちろん、離職防止にも気を配らなければなりません。ITエンジニアが転職を考えるのはどのようなタイミングで、どのような理由なのでしょうか。
6月29日〜7月1日にかけて行った、ITエンジニア359人に対するWebアンケート調査結果を紹介します。
ITエンジニアで「転職経験がある」と回答したのは46.2%でした。そして初めての転職時期として最も多いのは「社会人3年目」であることが分かりました。
数年間の社会人経験を通じて、自分の適性や興味を再認識し、20代のうちにキャリアを考え直す人が多いといえます。
転職を意識する理由として「給与の低さ」(47.2%)が最も多く挙がりました。以降は「業務に対するモチベーションの低下」(37.3%)、「会社の将来性に対する不安」(27.8%)が続き、給与や業務内容に対する不満が転職を考えるきっかけとなっていること分かります。
将来のキャリアに不安を感じるITエンジニアは6割以上に上ります。新たなテクノロジーが次々と登場する中、スキルの陳腐化に対する懸念や新しい技術の習得にプレッシャーを感じている人が多いようです。
不安を感じることとして「技術進化の速さに追い付けないこと」(19.0%)、「給与や報酬が上がりにくいこと」(17.4%)、「生成AIなどにより自身の業務が代替される可能性があること」(16.0%)が挙がっています。
これらの不安を解消する手段の一つとして転職を選ぶと考えられます。
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