新卒の退職代行、4〜6月がピーク どんな職種が多いのか?退職代行モームリ利用者に調査

» 2025年03月21日 09時30分 公開
[ITmedia]

 退職代行モームリを運営するアルバトロス(東京都港区)は3月1日、2024年度新卒の退職代行の利用状況の調査を実施した。

 1814人の新卒社員が同社の退職代行サービスを利用して、会社に退職の旨を伝えていたようだが、どういった職種や理由が多かったのか。

退職代行を利用した2024年新卒に調査した(画像:ゲッティイメージズより)

2024年度新卒の退職代行理由、4〜6月がピーク どんな傾向が?

 退職代行モームリを利用した新卒社員の人数を月ごとに集計したところ、最も多かった月は大型連休が含まれる5月で、最多の298人に上った。入社前後の4月(254人)と6月(251人)も多く、この3カ月に集中していることが分かった。

 同社は「入社から4カ月以内の新卒利用者が突出して多く、大型連休、お盆、年末年始などの長期休暇後にも利用者が増加する傾向が見られる」とコメントしている。

どの月に辞める新卒が多かったのか?(画像:以下、プレスリリースより)

どんな職種が多い? 理由も調査

 退職代行モームリを利用した新卒社員を職種別に分類したところ、最も多かったのは「サービス業」(318人、17.5%)だった。以降「営業」(222人、12.2%)、「医療関連」(144人、7.9%)、「販売業」(134人、7.4%)と続いた。

 同社は「サービス業や医療関連は従事している従業員が多いことも関係しているが、業界的に人材不足や、長時間勤務に陥りやすい環境も影響していると考えられる。また、退職代行利用者全体で多い職種は、1位がサービス業、2位が製造業、3位が医療関連のため、新卒社員の就業先は、製造業よりも営業職のほうが人気があるとも言える」とコメントしている。

退職代行を利用した新入社員(職種別)

 退職代行を利用した理由についても調査した。4〜6月で退職代行を利用した新卒社員の約半数は「入社前の契約内容・労働条件と勤務実態の乖離」を挙げた。入社から3カ月経過した7月以降は「いじめやパワハラなどの人間関係」が主な理由となり、4〜6月の時期に比べると約1割以上も増加していた。キャリアや給与面の不満を挙げる割合は低く、平均で5%未満という結果だった。

退職代行を利用した経緯・理由

 自由回答としては「入社前に『土曜は基本的には休み。ただ祝日で平日が休みの場合は土曜出勤になる』と聞いていた。しかし実際に入社したら、土曜日も通常出勤で休みは日曜だけだった。『充実した研修制度あり』と公式Webサイトにも写真付きで紹介されていたが、研修なしで入社式翌日から現場に行かされた」(建築・建設業、男性)、「社訓をひたすら叫んだり、何回もテストをされ指摘されたりする合宿があった。当時は当たり前だと言い聞かせていたが、今になって振り返ると辛くなった。新しい配属先に来て日が浅い状況なので、相談出来る相手もいなく言い出しにくかった」(サービス業、女性)といった回答が寄せられた。

 同社は調査を踏まえ「入社直後と大型連休前後の利用者は増える傾向が出ているため、その時期は特にフォロー体制を構築することが重要。加えて、入社3カ月以降はいじめやパワハラなどの人間関係に起因する退職が増加する。業務に慣れてきた時期においては、業務内容よりも人間関係やメンタル面での支援が重要」と指摘している。

 調査は、退職代行モームリを利用した全国の新卒社員1814人(2024年3月内定辞退依頼の2人を含む)を対象に実施した。期間は2024年4月1日〜2025年2月28日。

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