この記事は『新入社員の教科書 「伸びる人」の習慣 「伸びない人」の習慣』(菅沼勇基/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
いま私は不動産の仕事に携わっていますが、現在の仕事の基礎には、例えば学生時代のアルバイトなどの経験も生かされています。
私の実家はもともと神奈川県で農家を営んでいました。一方で、不動産による家賃収入も得ていました。そのことから、自分もお金に興味を持ち、大学生のころから将来は不動産を扱う仕事をしていきたいと考えていました。
その当時の私は、カリスマ営業マンが書いた営業ノウハウの本など、とにかく営業に使えそうな本を片っ端から読んでいきました。不動産売買の営業を仕事にしたいと思っていたからです。
実際に、アルバイトで営業につながる仕事もしていました。不動産の場合、商品金額が高いので、なるべく金額の高いものを売る営業の仕事を経験したいと考えました。しかし、不動産業界ではアルバイトは雇ってくれません。自動車業界もダメ。そうなると、唯一、高額商品を売るアルバイトとしては、「家電」が思い浮かびました。そこで横浜駅の駅前にあるビックカメラで、販売員としてテレビを売るアルバイトを始めたのです。
このアルバイトは大学3年生のときに始めたのですが、当然、最初はアルバイトの新人にテレビのような高額商品は売らせてもらえません。
最初はゲームコーナーでゲームソフトの品出しをしたり、商品を陳列する棚を掃除したり、店頭で「いらっしゃいませ、いらっしゃいませ」と声出しする仕事が主でした。
つまらなく見える仕事かもしれませんが、「これも何か大きな仕事につながるはずだ」と信じて、くさることなく、とにかく一生懸命にやっていました。すると、テレビ部門の売り場で販売員に欠員が出たときに、私が補充要員として呼んでもらえたのです。
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