日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
ニッスイは「ぶり」の皮をなめして作った革「namino leather(ナミノレザー)」のテスト販売を開始する。グループ企業の黒瀬水産(宮崎県串間市)が養殖する「黒瀬ぶり」を使用している。今春から欧米や国内のアパレルメーカーなどに向けて展開する。
黒瀬ぶりは、親魚から採卵・孵化させた人工種苗を成魚に育て、さらに産卵させるサイクルを人為的に行う完全養殖で生産している。1年を通して国内外に出荷しており、加工時に発生する頭や骨、皮、尾などの不可食部分は、現在肥料などに活用している。
namino leatherの特徴は、ブリ皮ならではの細かいうろこが描き出す模様や、滑らかな質感だ。一般的な皮革と同様、幅広く加工できるという。
自然由来のタンニンでなめしてウレタン加工した「黒瀬」、クロームフリーの合成タンニンでなめしてウレタン加工した「白波」、メタリック加工した「煌波(きらなみ)」、箔押しした「金波」「銀波」の5種類を用意した。用途に応じたオリジナル加工にも対応する。サイズは、横幅35〜45センチ、縦は頭側で15〜20センチ、尾側で5〜10センチ。
アパレル業界では近年、動物の皮の使用に関して倫理的・環境的な配慮が求められるようになり、代替素材への関心が高まっている。石油由来の素材使用量を削減し、環境負荷を軽減するため、リサイクルやアップサイクルされた原材料を活用した製品開発が進んでいる。
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