ワークマンの、#ワークマン女子からワークマンカラーズへの転換は、そこまで驚きはなく、既定路線である。ワークマンカラーズは2023年9月に銀座で、#ワークマン女子から業態転換する形で1号店を出店している。十分に検証した結果、今般の改称だったことは間違いない。
ワークマンカラーズ1号店は、当初から#ワークマン女子の旗艦店的な役割があり「作業服をカジュアルに転用した商品で売場を構成しているから、ファッション性が劣るというような言い訳はしない」と宣言していた。つまり、タウンファッションの店として、防寒や吸汗速乾、伸縮性、防水などの機能を抜きにしても、デザイン性で競合他社に負けないことを目標にしていたわけだ。
中国の「SHEIN(シーイン)」の短納期生産に学び、海外工場に大量発注する方式も一部見直した。短納期で、少量のトレンド性の高い商品を生産できる体制を構築している。レディースのみならず、メンズや子ども服を展開しており、男性はもちろんファミリーで利用できる店へと進化させていた。
その結果、#ワークマン女子の頃より売り上げが23%増という数字も出ており、#ワークマン女子の名を廃して、ワークマンカラーズへ全面移行する決断をした。6月中旬までに25店、さらに毎年40店舗を目標に出店し、2032年中に400店体制にまで伸ばす方針だ。顧客の男女比は1:1を目指すという。
#ワークマン女子は商業施設に多かったイメージだが、ワークマンカラーズではロードサイドを重視する。商業施設に入る際も、なるべく路面に出していく。ワークマンプラスはスポーツ入門者やバイク・自転車に乗る人に支持が厚く、その路線を維持。対してワークマンカラーズは、機能性を備えたタウンファッションとして、専売品を中心に販売しながら2026年秋には専売品比率を8割にまで高めていく方向性である。
今後は地方出店がメインとなっていくので、当面のライバルは「しまむら」だろう。しまむらはレディースにほぼ特化しており、メンズはあまりやっていない。そこも狙い目で、ユニセックスの家族で合わせられるベーシックかつ安価な商品の投入によってファン拡大を目指す。一方のレディースでは、レースのようなシースルー素材のトップスを販売するなど、女性らしいデザインを強化していく。
全身ワークマンの「1万円未満」コーデ! 「Workman Colors」の快適普段着は、ユニクロに勝てるか
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