JR東、新宿駅で5G通信エリアの拡大に成功 国内初

» 2025年04月28日 13時10分 公開

 東日本旅客鉄道とKDDIは、JR新宿駅ホームで安定した5G(ミリ波)の通信エリアを拡大する実証試験を行い、国内の駅で初めて成功した。多くの列車や人が行き交い、遮蔽物でミリ波の電波が届きにくい状況下でも、安定した通信が可能であることを確認したという。

photo KDDIと東日本旅客鉄道は、JR新宿駅ホームで安定した5G(ミリ波)の通信エリアを拡大する実証試験を行い、国内の駅で初めて成功した(提供:AC)

 5Gのミリ波は電波の直進性が強く、遮蔽物の影響を受けやすい特徴があるため、鉄道の駅構内など構造が複雑な箇所では通信エリアを拡大することが難しいという課題があった。

photo ミリ波中継器・ミリ波中継器設置前後の通信環境 (出所:プレスリリース、以下同)

 そこでKDDIは、ミリ波の基地局からの電波を中継して自律的かつ連続的なエリア形成を可能にした無線中継技術を開発。この技術を備えたミリ波中継器を活用し、西新宿ビル街のミリ波の通信エリアを拡大する試験に成功した。ミリ波中継器は小型・軽量で光回線の敷設を必要とせず、駅のホームなどのスペースが限られた場所でも設置可能だという。

photo ミリ波中継器設置前後のミリ波エリアの比較 出典:地理院地図をもとにKDDIが作成

 中継器を設置した箇所は、JR新宿駅の1番線・2番線ホームと周辺施設の計4カ所 。両社は、「今後もミリ波を含む電波の有効活用や、駅構内・沿線での通信環境向上、鉄道業務のDXに向けて取り組んでいきます」と話している。

photo 中継ルート最適化のイメージ・列車通過前後の通信速度の比較
photo 各社の役割

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