国内の人事・総務関連業務アウトソーシング市場規模が拡大している。矢野経済研究所(東京都中野区)が調査した結果、2023年度の同市場規模は11兆6631億円(前年度比5.9ポイント増)だった。
内訳を見ると、人材関連業務アウトソーシング市場(人材派遣、人材紹介、再就職支援)が9兆7156億円(同6.3ポイント増)となり、全体の8割超を占めた。人事業務アウトソーシング市場(給与計算アウトソーシング、勤怠管理ASPサービス、企業向け研修サービス、採用アウトソーシング、アセスメントツール)が1兆655億円(同4.8ポイント増)となった。
その他、シェアードサービス市場(シェアードサービスセンター、学校法人業務アウトソーシング)が5780億円(同1.9ポイント増)、総務業務アウトソーシング市場(従業員支援プログラム、健診・健康支援サービス、福利厚生アウトソーシング、オフィス向け従業員サービス)が3040億円(同4.1ポイント増)。
アウトソーシングサービスの導入範囲に関して、矢野経済研究所は「企業の間接業務の一切を社内に残したくない、社内の人的リソースを一切使いたくないといった業務を丸投げする傾向が年々高まっている」と分析した。大企業への導入が一巡している分野では、営業アプローチ先が中堅・中小企業にシフト。サービス導入対象の裾野が拡大していることも、マーケット拡大の追い風になっているという。
今後は、社員による内製化を主体としてきた日系大企業において、ベテランの人事担当者の定年退職などに合わせて外注化することが予想される。矢野経済研究所は「市場のさらなる拡大が期待できる」とコメントした。
調査は1〜3月、矢野経済研究所の専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・メールによるヒアリング、文献調査にて実施。調査対象者は人事・総務関連業務アウトソーシングサービスを提供する主要事業者など。
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