就職活動の意思決定に最も影響を与えるのは、企業のリクルーターではなく「親や家族」──。そのような結果が、電通(東京都港区)による調査で明らかになった。Z世代は就活に対してどのような価値観を持っているのか。
入社先を決定する際に影響を与えた存在について、最も多い回答は「親・家族・親戚」となり30.2%に上った。その他、「ゼミ・研究室の先輩・同期」(20.0%)、「大学の先輩・同期」(19.1%)が上位に。前年2位だった「企業のリクルーター」は5位に下がる結果となり、学生本人に近い存在やコミュニティの意見が強く影響していると考えられる。
「親・家族・親戚」の意見が入社先決定に「影響した」と回答した人は45.9%と半数近くに上り、前年に比べて5.4ポイント増加した。
将来的に海外に駐在して働きたい人は4割に満たなかった。最も多い回答は「まったくそう思わない」で30.6%となり、前年より10.3ポイント増加した。「あまりそう思わない」とした30.8%と合わせて、61.4%が海外勤務に対して消極的という結果になった。
「入社後の勤務場所・エリアの確約をしてほしい」と回答した人は合わせて88.0%に上った。また、「入社後の職種・配属先を確約してほしい」は85.3%となり、前年に引き続き「配属ガチャ」など、不確実性への懸念が内定辞退に影響していると考えられる。
就職活動を通じて企業や商品のイメージが「悪くなったことがある」と回答した人は53.9%と半数に達した。企業イメージが悪化した要因については、「面接官の印象が良くなかった」が最も多く53.0%。次いで「説明会がわかりにくい」(24.4%)、「選考結果の発表時期が遅い」(23.0%)が続いた。
同社は「採用企業は入社後の働き方やキャリアパスについて丁寧に伝達していくことで、就活生やその親世代に対して安心感を提示することが重要となる」とコメントしている。
調査は2月20日〜3月7日にインターネットで実施。2025年または2026年に卒業予定の大学生・大学院生483人から回答を得た。
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