またもやリストラです。
しかも、黒字リストラ。コロナ禍前から徐々に増え、アフターコロナを見据えた企業再編で一気に拡大した「今のうちに切っちゃえ的リストラ策」が次々と公表されています。
東京商工リサーチによると、2025年に入ってから5月15日までに上場企業が募集を発表した早期・希望退職者数は19社で、計8711人(一部は応募人数)。2024年同期間に発表した27社の4654人より87%増えました。19社のうち、直近決算期の最終損益が黒字の企業が6割を占めています。
日本を代表する企業であるパナソニックHDに至っては、2013年3月期の最終赤字を最後に2025年3月期まで12年連続で黒字です。にもかかわらず、グローバルで約22万8000人いる従業員の4%(国内と海外で5000人ずつ)を、2026年3月期までに削減するそうです。
同社の楠見雄規社長兼グループ最高経営責任者(CEO)は、5月9日の記者会見で「雇用に手を付けることは、じくじたる思いだ。経営責任は私にある」と話し、2026年3月期に総報酬の40%を返上することも明らかにしました。
パナソニックの前身である松下電器の創業者であり、「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助さんは、「1人も解雇するな、1円も給料を下げるな、目先のことばかりを追っていてはいけない」と言い続けていたのに。いったいなぜ?
その理由を楠見氏は「人員に余裕がある状態では生産性を高める創意工夫が起きない」と言います。人を減らせば創意工夫が起こる、ということでしょうか。申し訳ないけれど、この理屈が私には全く理解できません。
「また休むの?」子育て社員に“絶対言えない本音”──周囲が苦しむサポート体制から脱せるか
自ら“窓際社員”になる若者──「静かな退職」が増えるワケ
「育休はなくす、その代わり……」 子なし社員への「不公平対策」が生んだ、予想外の結果
「年功序列=悪」は本当か? 三井住友銀行が堂々と廃止できたワケ
米Amazon、Googleも出社回帰 なぜ、わざわざ脱リモートするのか?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング