丸亀製麺とはなまるうどん、どこで差が付いたのか 振り向けば「資さん」も……三つ巴の乱戦に?(2/3 ページ)

» 2025年05月31日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

過度の安売りがアダとなった

 店舗数が200を超えたのは、はなまるが先で2007年、丸亀製麺は2009年である。しかし2009年以降に丸亀が急速に店舗数を拡大し、現状は先述の通りだ。はなまるは2012年に吉野家ホールディングスの完全子会社となったが、出店ペースは上がらず、500店舗を達成したのは2019年である。その後、コロナ禍で店舗数を減らした。

 両者に差が現れた要因の一つにはブランド力の違いがある。はなまるのブランド力を語る上で「安売り」は欠かせない。はなまるでは2013年まで「かけ(小)」を税抜100円で販売するなど、安売りしていた。行き過ぎた安売りがオペレーションに影響したのか、当時は店舗の清掃が行き届いていないと指摘する意見もあった。100円マックで品質イメージを落としたマクドナルドと構図は似ている。

かつては安売り路線に走っていたはなまる(同前)

 一方、丸亀製麺はデフレ時代でも過度の安売りをしなかった。かけうどんの並は当時280円で提供し、はなまるの2倍以上である。テレビCMで品質もアピールし続けた。店舗で粉からうどんを打つ様子を映し、国産小麦粉の使用をうたっており、「国産信仰」の強い日本人消費者に対してはかなりの効果があっただろう。――とはいえ、実際の讃岐うどんはオーストラリア産の小麦粉を使用していることが多い。ちなみにはなまるうどんもオーストラリア産が主体であることを公表している。

丸亀製麺は国産小麦の使用を打ち出している(出所:丸亀製麺公式Webサイト)

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