橿原書店の成果は、協業する無印良品側からも高く評価されているという。地域商材の展開や地域団体との連携など、無印良品のブランドだけでは難しい取り組みを、書店が担うことで相互補完の関係を築いている。
無印良品での買い物が主目的の客からも「気になっていた本を見つけた」「ついでに本が買えて便利」といった声が寄せられ、反応は上々のようだ。橿原書店は、業界が直面する「わざわざ書店に足を運ぶ機会の減少」という課題に対し、生活動線上での書籍販売という解決策を示している。
一方で、課題も見えている。地域資源のさらなる発掘に加え、現状では書店目当ての来店客が少ないことから、橿原書店単体での認知度向上も重要な課題だ。
日販は橿原書店の成果を踏まえ、共創型モデルの全国展開を目指す。今回は日販の直営だが、成果が出れば、パートナーの書店と無印良品を引き合わせて広げていく考えだ。
山元さんは「書店の6次産業化」(※)という表現で、今後のビジョンを語る。書籍販売だけでなく、地域のためにあらゆる機能を担う存在として書店を再定義し、リアル店舗ならではの価値を提供していく考えだ。
2028年、街から書店が消える? “救世主”になるかもしれない「2つ」のビジネスモデル
「異業種×本屋」でどうなった? ホテルに「風呂屋書店」をオープンして、見えてきたこと
なぜ日本のマンガは、次々に「メガヒット」するのか
日本のアニメは海外で大人気なのに、なぜ邦画やドラマはパッとしないのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング