串カツ田中の新名物である無限ニンニクホルモン串は、このメニューのためだけに開発したタレを使っている。ニンニクの味が癖になり、軽くて食べやすい。お酒に合う商品だ。安くて最高のおつまみを目指して開発したという。
格安チェーンとして知られていたが、今や串カツ田中もボリュームゾーンの商品が1本200円に迫っている。定番8本盛り1507円は、定価だと200円を超えるエビやアスパラが入っており、お得にはなっているが、やはり高くなった感がある。
ところが、無限ニンニクホルモン串は1本55円。ここまでの“価格破壊”であれば、最近足が遠のいていた串カツ田中にもう一度行ってみよう、と思う人も多いのではないだろうか。10本、20本と注文して山のように盛っていくと、ビジュアル的にも迫力がある。SNSでの投稿も多く、人気になっている。
串カツ田中は、改正健康増進法で飲食店内が原則禁煙となる前の、2018年6月から全店禁煙(立ち飲み3店を除く)を打ち出し、注目を集めていた。大衆居酒屋でも徐々にタバコを吸えなくなっているが、当時「禁煙居酒屋」として有名になり、マスコミの露出も格段に増えて、今日のようなメジャーなチェーンに成長した。
その前にも、政府と経済界が提唱した「プレミアムフライデー」という、月末の金曜の終業時を午後3時に早めて需要を喚起するキャンペーンで、独自の割引などの企画を打ち出して人気を集めていた。もちろん商品としての串カツの力もあるが、大阪のソウルフードをあの手この手を尽くして全国区に訴求したのが、成功した一因だろう。
こうして見ると、串カツ田中はマーケティングに優れたセンスを持つチェーンといえる。運営する串カツ田中ホールディングスでは、“盛りすぎ串”の流行りが来ると察知して、水面下で開発を進めて無限ニンニクホルモン串の爆発的ヒットにつなげた。“マーケティングに強い串かつ田中”の健在を、世に示した形だ。
「串カツ田中」を子連れで利用しても“罪悪感”がない理由 居酒屋チェーンなのになぜ?
串カツ田中の「恫喝」問題 なぜ現場はマニュアルを軽視するのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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