この調査結果では、生成AIの使用に関するデータも紹介しています。定期的に仕事で生成AIを利用している人に対して、用途を聞いた質問では、2023年10月時点と比較すると、情報収集や文章生成、要約、校正という用途での利用が増加しているとしています。
また同様に、「生成AIによって仕事の効率は変化したか」と聞いた質問では、77%が「効率向上」と回答していますが、2023年10月が64%だったことを考えれば、まだまだ生成AIを十分に使いこなしているとはいえないようです。実際に、生成AIの利用用途を聞いている質問では、「情報収集・検索」「文章生成」「文章要約」「文章校正・編集」が多く、機械的な作業の代替として活用している人が多数のようです。
生成AIと生産性の関係にしても、意見はさまざまです。単純作業だけではなく、これまで膨大な時間を要していた作業が10分の1になったという意見もあれば、人が考える能力が落ちてしまい、生産性を付加価値というならば、人の能力は明らかに落ちるという人もいます。
生成AIと時間管理の問題は、今後大きなテーマになりそうです。時間管理を効率性の追求と考えるならば、生成AIを活用することは、必須になっていくでしょう。
しかし、過去の経験から考えても、IT化によって仕事のスピードが上がったにもかかわらず、人の作業量はむしろ増え、アウトプットの量は増えても、必ずしもクオリティは上がっていないという意見もあります。生産性が付加価値とすれば、これは大きな問題です。実際、ここ数十年、日本のGDPは上がっていません。
いずれは、生成AIが、人生の重大な岐路における選択肢についてもアドバイスをするような時代になるのかもしれませんが、時間管理を効率性の追求だけではなく、豊かな人生を築くためのプロセスづくりだと考えるならば、生成AIを活用しながらも、自分自身の成長と豊かな人生のための選択ができるようなプランニング・プロセスを自分の中に確立したいものです。(フランクリン・ プランナー)
(出典)大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2025)「第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)」
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