その昔、1億円といえば、「夢の大金」「一生分の蓄え」といったイメージがあった。タカラトミーの「人生ゲーム」でも「億万長者!」という言葉が使われていたし、外資系の金融機関が広告で「資産1億円以上の方へ」という文言を目にしたことがある。
ゲームや広告は当時の社会背景を反映していたわけだが、いまの時代、いわゆる“1億円プレイヤー”と呼ばれる人たちはどのくらいいるのか。
「不動産や金(きん)をたくさん持っている人たちのことでしょ。しがないサラリーマンには関係ないよ」などと思われたかもしれないが、実はそうでもなく、会社の隣の席にいる人が「富裕層」かもしれない――。そんなデータがあるのだ。
野村総合研究所(以下、野村総研)は、富裕層や庶民の資産状況を分析した「富裕層ピラミッド」(2023年)を発表した。預貯金や株式といった金融資産から不動産購入に伴う借り入れなどを差し引いて、全世帯を5つの階層に分類している。
「超富裕層」は5億円以上、「富裕層」は1億円以上5億円未満、「準富裕層」は5000万円以上1億円未満、「アッパーマス層」は3000万円以上5000万円未満、「マス層」は3000万円未満――と定義している。
では、その“億万長者”はどのくらいいるのか。野村総研の調査によると、「超富裕層」(11.8万世帯)と「富裕層」(153.5万世帯)の合計は165.3万世帯である。そのうち、「富裕層」が92.9%を占め、残りの7.1%が「超富裕層」である。
預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた「純金融資産保有額」を基に、全世帯を5つの階層に分類(出典:野村総合研究所、以下同)この数字を目にしても「うーん、多いのか少ないのかよく分からんなあ」と感じられたかもしれないので、2年前のデータ(2021年)と比べてみよう。億万長者は148.5万世帯だったので、わずか2年で10.2%も増えているのだ。
この結果について、野村総研の竹中啓貴さんは「近年の株式相場の上昇を受けて、運用資産が急増したのではないか」と見ている。特に注目すべきは、「準富裕層」の数である。325.4万世帯→403.9万世帯と、なんと24.1%も増えているのだ。
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