「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきたデータに隠された真実(1/3 ページ)

» 2024年01月02日 09時30分 公開

 厚生労働省が毎年行っている「国民生活基礎調査」によると、2021年、児童(18歳未満の未婚の者)のいる家庭の平均世帯年収は785万円。中央値は710万円で、およそ24%の世帯が1000万円を超えています。地域や家族構成によるので一概には言えませんが、全国的には30代で650万円、40代で800万円ぐらい稼いでいれば「上から数えたほうが早い」と言えるでしょう。

 地域による違いはどうでしょうか。総務省統計局の「住宅・土地統計調査」では、都道府県や市区町村別の収入分布(※)が公表されています(図1)。

(※)「住宅・土地統計調査」では、18歳以上の子がいる家庭(例えば、高齢夫婦と無職の成人)もカウントされるため、「国民生活基礎調査」よりも年収の平均値や中央値が低く出る傾向があります。その代わりに、親、子、孫の 3世代が同居する家庭を除外できるため、一般的な「核家族」の暮らし向きがわかります。

 この調査(2018年)の結果を用いて、「子どものいる核家族」のうち、世帯年収700万円以上の割合を都道府県別に表してみました(図2)。

 東京都(49%)を筆頭に、三大都市圏ではおおむね35〜45%。全国平均の35%より高い地域を暖色系、低い地域を寒色系に塗り分けていますが、どんなことが読み取れるでしょうか。

 大都市圏を拡大すると、同じ都道府県の中にも「地域格差」が見られます(図3)。東京都心に隣接し、文教地区として知られる文京区では、約65%の家庭が「700万円以上」。その他、23区西部から川崎、横浜の内陸部にかけて 60%前後のエリアが広がります。

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