「年収700万円」の人が住んでいるところ データを分析して分かってきたデータに隠された真実(3/3 ページ)

» 2024年01月02日 09時30分 公開
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 中京圏も見てみましょう(図5)。名古屋市に近いエリア(旧尾張国)には名古屋市中心部への通勤者が多く住んでいます。一方、愛知県の東部(旧三河国)、豊田市、知立市、安城市、刈谷市などは自動車産業が盛んな工業都市で、名古屋のベッドタウンというよりは「トヨタ経済圏」としての性格が色濃い地域です。

 ちなみに、本田技研工業(ホンダ)の拠点がある栃木県芳賀町や、マツダのおひざ元・広島県府中町&広島市南区でも700〜1000万円の中流家庭が多くなっています。1960〜80年代には自動車や機械工業が外貨を稼ぎ、地元や周辺産業を潤しながら日本全体を成長させていましたが、地図を通して当時の日本の縮図を見ているようです。

参考:総務省統計局『平成30年住宅・土地統計調査・住宅及び世帯に関する基本集計』

この記事は、『ビジュアルでわかる日本』(にゃんこそば、宮路 秀作/SBクリエイティブ)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。


プロフィール:

著者:にゃんこそば

たびたび地図をテーマにしたツイートをバズらせており、雑学的アプローチが得意。X(旧ツイッター)のアカウント

監修 宮路 秀作(みやじ しゅうさく)

代々木ゼミナール地理講師。日本地理学会企画専門委員会委員コラムニスト。Yahoo! ニュース個人オーサー。日本地理学会賞(社会貢献部門)受賞。主な著書は『経済は統計から学べ!』『経済は地理から学べ!』『目からウロコのなるほど地理講義』。 X(旧Twitter)のアカウント


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