約半数の私大経営法人が「赤字」 一方、売上高トップは?東京商工リサーチ調べ

» 2025年07月29日 07時00分 公開
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 私立大学を経営する法人の赤字企業率が上昇している。東京商工リサーチが調査した結果、私立大学を経営する全国の543法人のうち、253法人が2024年決算で赤字という結果に。赤字企業率は46.5%だった。

photo 東京商工リサーチが2024年「私立大学経営法人」の業績動向調査を実施(出所:写真AC)

私立大学経営法人の売上高ランキング、1位は?

 売上高ランキング1位は順天堂大学などを経営する「順天堂」(2114億8300万円)、2位は学生数最多の「日本大学」(1903億3800万円)、3位は1858年開学の「慶應義塾」(1772億2400万円)だった。

 4位には「近畿大学」が西日本で唯一ランクイン。5位は全国に系列校を持つ「東海大学」だった。いずれも大都市圏で多数の学部を持つ総合大学を経営しているほか、医学部とその付属病院を持ち、医療収入のウエイトが高かった。医学部と付属病院を持たない法人では、15位の「早稲田大学」(1039億円)がトップだった。

photo 私立大学 売上高別/売上高ランキング(出所:プレスリリース、以下同)

半数近くの法人が赤字経営

 損益別では「黒字」が290法人(構成比53.4%)に対し、「赤字」が253法人(同46.5%)だった。赤字法人の比率は前々期34.2%、前期40.8%と、約6ポイントずつ上昇している。なお売上高10億円未満は49法人(構成比9.0%)で、うち30法人(同61.2%)が赤字となっている。また、赤字の253法人のうち139法人(同54.9%)で、3期以上にわたり赤字が継続していた。

photo 私立大学経営法人 損益別

赤字法人率には地域差が

 損益を地域ごとに比較したところ、赤字法人率が最も高いのは「四国」(77.8%)で、以下「北陸」(66.7%)、「東北」(60.0%)と続いた。一方、赤字法人率が低いのは「関東」(40.6%)、「近畿」(42.2%)、「九州」(43.6%)の順だった。

photo 私立大学経営法人 地区別損益

 東京商工リサーチは「大学の経営法人は減収や減益、赤字経営の増加が顕著で、事業環境はますます厳しくなっている。各大学が学生確保に向けた取り組みを活発化しているが、知名度の高い大規模校ほど効果的で、人気の二極化が一層拡大する可能性もある。選ばれる大学には伝統や施設、立地、特色ある研究・教育と同時に、就職など学生の直面する課題に寄り添う実績が求められる。そして、法人として収益確保に向けた経営力が不可欠になっている」とコメントした。

 調査は東京商工リサーチの企業データベースから、大学、短期大学を経営する法人の業績を抽出。2024年3月期を最新期とし、3期連続で業績が判明した543法人を抽出・分析した。

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