アメックスCEO、ステーブルコインは「送金手段の代替になり得る」 規制法成立で注目高まるPayments Dive

» 2025年07月30日 07時00分 公開
[Patrick CooleyITmedia]

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 米クレジットカード会社のAmerican Express(アメリカン・エキスプレス、以下アメックス)のCEOスティーブ・スクエリ氏は、価格が安定するよう設計された暗号資産「ステーブルコイン」が既存の送金インフラに代わる有効な手段になり得るとの見解を示した。7月26日に行われた決算説明会で語った。

 スクエリ氏は、ACH(Automated Clearing House:米国における自動資金振替ネットワーク)やSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication:国際銀行間通信協会)といった従来の送金網が今後も主要な役割を担い続けるとしつつも、ステーブルコインはそれらのインフラの代替手段として「十分に有効である」と語った。

 ステーブルコインが既存の送金網を完全に置き換えるか? それはないだろう。しかし、ACHやSWIFT、電信送金といった手段の代替として、十分に実用的な選択肢だと思う(スクエリ氏)

 また、スクエリ氏は、連邦政府がステーブルコインの規制枠組みを定めた「ジーニアス法」を可決・成立させたことを受け、アメックスとしても仮想通貨の取り扱いについて本格的に検討していく意向を示した。

アメックスCEOはステーブルコインが既存の送金インフラに代わる有効な手段になり得るとの見解を示した(ゲッティイメージズ)

国際送金の可能性に注目も「主な収益源ではない」

 ACHやSWIFTといった既存のインフラは十分に確立されており、「あまりにもよく機能しているため、デジタル通貨が完全に取って代わることはない」とスクエリ氏は述べている。一方で、ステーブルコインが実用化される領域として、国際送金が有望だとされている。

 ただし、アメックスにとって国際送金は「大きな収益源ではない」と同氏は認める一方で、「それでも可能性がある分野であり、真剣に検討している」と語った。

 なお、ACHは主に米国内の送金に使用されているが、SWIFTはベルギーに拠点を置く協同組合によって運営され、世界中の銀行間送金に利用されている。

ステーブルコインへの関心広がる 他社も追随

 ステーブルコインとは、米ドルやユーロなどの法定通貨に価値を連動させることで、価格の安定性を持たせた暗号資産の一つ。日々価格が変動するビットコインなどとは異なり、通貨としての実用性が高いとされる。

 スクエリ氏は、トランプ大統領によるジーニアス法への署名を受け、今後の動向を注視する「様子見姿勢」を取っている。「まだこれから議論が進む段階だ」としている。

 なお、コンサルティング会社のDeloitte(デロイト)が2024年6月に発表したレポートでは、ステーブルコインが伝統的な金融機関から一定の市場シェアを奪う可能性があると指摘されている。

 アメックスはすでに暗号資産分野に一部進出している。

 2024年6月には、暗号資産取引所Coinbase(コインベース)が、アメックスの決済ネットワーク上で利用できるクレジットカードの提供を開始した。このカードでは、利用額に応じて最大4%分のビットコインを還元する。

 ステーブルコインに対する関心はアメックスに限らない。Visa(ビザ)やMastercard(マスターカード)の幹部も最近、同様の領域への関心を示しており、各社が暗号資産の可能性に注目している。

アメックス、第2四半期は増収も減益 若年層顧客への投資に評価

 アメックスが発表した2025年第2四半期(4〜6月期)の業績は、総収益が178億6000万ドルで、前年同期の163億3000万ドルから9%増加した。一方で、純利益は28億9000万ドルと、前年同期の30億2000万ドルから4%減少している。

 アナリストは依然としてアメックスに強気な見方を示している。調査会社William Blair(ウィリアム・ブレア)は、同社がZ世代およびミレニアル世代へのカード会員投資を進めている点を評価しており、「この若年層の顧客は、長期的には非常に高い投資リターンが見込める」と指摘している。

 2025年6月期において、この若年層が米国の個人利用に占める割合は35%に達したという。アナリストはまた、若年層のカード利用者は他の世代に比べて、利用頻度が高く、運用コストが低く、所得も高い傾向にあるとしている。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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