「自己紹介」でやたらと話す人が気付いていない落とし穴 初対面の相手に好印象を持ってもらうには?(1/3 ページ)

» 2025年08月07日 05時00分 公開
[ツチヤサオリITmedia]

 ビジネスシーンでチャンスをものにできるかどうかは、相手の心をつかむ伝え方ができるかにかかっている。そこで、『つかみ大全 仕事で成果を出し続ける人の思考と一生ものの「伝え方」の技術』(翔泳社刊)の著者であり、誰でも簡単に再現可能なコミュニケーションスキルである「つかみ」を提言している森田 翔氏に話を聞いた。

 初めて社外の人と接する際に重要な5つのポイントとは?

森田 翔。日本つかみ協会代表。日本唯一の「つかみ」の専門家。製薬会社にて12年間営業職を務め、2万回を超える商談を経験。この時に習得した科学的根拠に基づいた「人の心をつかむ」伝え方を広めるべく、2020年に「日本つかみ協会」を設立。伝え方研修・コンサルティングで年間300回以上のセミナー開催、3,000人以上の受講者数を誇り、国内最大級の研修サイトで24ヶ月連続人気ランキングNo.1を獲得。現在は、星薬科大学、戸板女子短期大学の講師も務め、全国から講演依頼が殺到している。著書に『つかみ大全 仕事で成果を出し続ける人の思考と一生ものの「伝え方」の技術』(翔泳社)がある(提供:森田 翔氏)

つかみテクニック1 自己紹介では、相手の話を傾聴することが最も大切

――取引先と初めて会う際、どれだけ第一印象をポジティブなものにできるかは気になるところ。「相手に好印象を与えたい」「自分のことを覚えてもらいたい」という時の自己紹介のコツはありますか?

 自分が話している時だけが自己紹介だと思っている人は、多いのではないでしょうか。これは、ほとんどの人が勘違いしているポイントです。

 実は、自己紹介というのは、自分が話す前からすでに始まっています。人は相手と対面した瞬間から「この人の話は聴こう」「この人の話は聴かなくてもいい」と無意識に選別しているのです。その分岐点は、自分のことを大事にしてくれる人かどうか。自分のことを大事にしてくれる人は、自分の話に興味を持って聴いてくれる人のことです。だから、自己紹介は自分が話すよりも前に「聴く」からスタートしてほしいのです。

 例えば、異業種交流会やプレゼンテーションなど、複数人が集まって自己紹介し合う場面を想像してください。他の人が自己紹介している時に「自分の番になったら何を言おうかな」と考えていて、他の人の自己紹介を全然聞いていないということはありませんか。そんな中でも「つかめる人」は、前のめりになってリアクションを交えながら聴く。そうすると相手も自分の自己紹介を真剣に聞いてくれるようになるわけです。

――もはや何を話すかよりも、「聴く」姿勢の方が大事そうですね。

 その通りです。自己紹介の内容は、事前に1分程度のものを作っておけばいいだけです。自分に興味を持ってもらいたいのであれば、まずこちらから相手に興味持ちましょう。そして、できるだけ相手に先に自己紹介してもらうことで、共通点など話題のヒントを得るわけです。興味を持ったことに関して質問するのもいいでしょう。人は自分の話を楽しそうに聴いてくれる人を前に話すと「快」の状態になります。後々話の中身自体は忘れてしまいますけれども、どんな感情だったかはずっと覚えているものです。

初対面での「つかみ」のポイントとは?(出所:ゲッティイメージズ)
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