都心部・臨海地域地下鉄構想は、湾岸エリアに新線を通す構想だ。東京駅〜新銀座〜新築地〜勝どき〜晴海〜豊洲市場〜有明・東京ビッグサイトの7駅を結び、全長は6.1キロである。海に突き出た埋立地を横串で刺すような路線で、事業計画検討会の資料によると、概算事業費は4200億〜5100億円。
現状、東京駅から臨海部に出る場合は乗り換えなければならない。バスなら直通だが、時間がややかかってしまう。晴海に至ってはそもそも鉄道が通っておらず、東京駅からバスで30分程度だ。
勝どきや月島はもともと下町だったが、都営大江戸線が開業したことで利便性が向上し、タワマンエリアとして開発が活発化した。既に不動産価格が高騰しているエリアであり、都心部・臨海地域地下鉄の開業後はさらに価格が上昇するかもしれない。
2024年11月から工事が始まっており、実現可能性も高いのが有楽町線の延伸計画だ。新木場を終点とする現路線を豊洲で分岐し、北上させる。
豊洲〜枝川〜東陽町〜千石〜住吉の4.8キロを結ぶ。東陽町は東西線の停車駅、住吉は半蔵門線で錦糸町から1駅隣に位置する。一方、枝川や千石にはこれまで鉄道が通っておらず中層マンションや低層住宅が並ぶ住宅街だ。延伸のメリットについて東京メトロは、住吉〜豊洲間の時間短縮のほか、東西線の混雑率低減などを挙げている。
同様に南北線の延伸工事も2024年11月に始まった。白金高輪で分岐させ、品川までを結ぶ計画だ。計画は2.5キロで、白金高輪と品川間に途中駅は設けない。現在の白金高輪、品川間の移動には最低1回は乗り換える必要があり、所要時間は15分前後。延伸のメリットについて東京メトロは、南北線沿いの六本木・赤坂エリアと品川エリアのアクセスが向上するとしている。有楽町線、南北線ともに2030年代半ばの開業を予定する。
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