ワークマン、「品切れが多い」→「地に落ちた顧客満足度」を反省 打ち出した挽回策とは?

» 2025年09月04日 07時00分 公開
[米倉志保ITmedia]

 ワークマンは9月1日、都内で開催した新製品発表会で、今シーズンの成長戦略を発表した。土屋哲雄専務は「これまでの45年間のやり方を改め、新しいワークマンになる」「(人気製品の大量生産や物流改善などを通じて)顧客満足度の改善に取り組む」と意気込んだ。

ワークマンの土屋哲雄専務(編集部撮影、以下同)

 これまで作業服の専門店として幅広い製品を扱ってきたが、それぞれの在庫を多く確保することは少なかったという。しかし、人気製品の欠品が続いている状況を受け、今後はシーズンごとに重点製品を設定して大量生産する。

 2025年秋冬シーズンは、寒暖差に対応する断熱ウェア「XShelter」シリーズ、疲労回復を助けるリカバリーウェアの「MEDIHEAL」シリーズ、音楽グループEXILEのメンバーTAKAHIRO氏が監修した作業服「ZERO-STAGE」シリーズ、温度や湿度を快適に保つ「KAITEKIワークパンツ」シリーズの4種を重点製品に据える。前年の8〜10倍となる計465万点を生産するという。

 大量生産を支えるため、群馬県と岡山県にそれぞれ約2万5000坪規模の流通センターを建設する。投資額は約300億円に上り、人気製品の在庫を安定的に供給できる体制を整える。

「XShelter」シリーズ

 製品開発・販促・売り場作りも連動させる。これまではチーム間の連携不足から、生産数が少ない製品を販促して品切れになるなどの問題があったという。

 土屋専務は「ワークマンは人気製品が多い一方で、品切れも多くお客さまの不満が相当高まっている」と説明。もともとは作業服の専門店で、特殊な工具を1点のみ販売するといったケースも多かった。そのため、「欠品が当たり前」という意識が強かった。欠品するような特殊な製品を求める利用客も少なかったため、基本的には取り寄せで対応していたという。

 しかし一般客の利用が増えたことで、人気製品の欠品が常態化し、顧客満足度が大きく下がってしまったという。土屋専務は「製品を大量に作り、販促をかけ、売り場を整えて、地に落ちた顧客満足度の向上を目指す」と意気込んだ。

発表会ではファッションショーも開催した

 今後は海外進出も視野に入れる。XShelterやMEDIHEAL、KAITEKIワークパンツなどの機能性製品を柱に、2030年以降、台湾で25店舗の出店を目指す。

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