セブンはなぜ、「長いカウンター」を導入するのか コンビニ御三家、高齢社会へのそれぞれの対応策(1/3 ページ)

» 2025年09月06日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 コンビニは店舗レイアウトを変化させ続けてきた。例えば1980年代からおでんの販売が普及し、1990年代にはカラーコピー機やATMの設置が進んだ。その後も「コンビニコーヒー」など、ニーズに合わせてさまざまなサービスを手掛けている。

 直近ではファミリーマートが一部店舗でイートインを廃止しつつ、レジ上に大型パネルのサイネージを設置した。セブン-イレブンではレジカウンターを最大4割伸ばし、コーヒーに続いて紅茶などを販売する方針だ。ローソンも次世代店舗をオープンするなど、目まぐるしく変化を続けている。近年におけるコンビニ各社のレイアウト変化を追っていこう。

変化を続けるコンビニ業界の最前線を探る(編集部撮影)

レジを伸ばし、新たな商品群を投入するセブン

 セブンは、現状6〜7メートル台のカウンターを8.4メートル程度に延長する計画を示している。2025年中に100店舗の改装を目標に掲げ、2027年2月期には400店舗を目指す。国内に2万を超える店舗があることを考えると、規模としては小さく見えるが、1店舗当たり数千万円規模の改修費を要するという。

 念頭にあるのが、紅茶などの新商品の販売だ。例えば「セブンカフェ ティー」として、既に普及しているコーヒーマシンと同様の紅茶抽出機をレジ横に設置し、ティーバッグなしで紅茶を提供する。現在はテスト店を中心に展開しており、2025年度中に2000店舗、2027年2月期に1万店まで導入する計画を発表した。店内のオーブンで焼く「セブンカフェ ベーカリー」も、直近で3000店舗以上に拡大させた。メロンパンやクロワッサン、フィナンシェなどをおおむね150〜200円で提供する。

 ファミマとローソンが一部店舗で廃止してきた一方、セブンは残してきた雑誌コーナーもテコ入れする。今後は窓際にある棚を6割ほど減らし、日用品や雑貨に置き換える方針だ。

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