優秀な人材を採用するため、面接ではどのようなことに注意すべきなのか――。
人事コンサルタントとして活躍している株式会社人材研究所の曽和利光社長に話を聞いた。
――近年の採用における大きな変化について教えてください
時代の変化により、「優秀さ」の定義も多様化してきました。昔は「挫折経験がある人」が評価されがちでしたが、今はむしろスクスク育って自己効力感の高い人の方が活躍する場面も増えてきています。
一番大きな変化は人口構造です。私たちの世代は1学年200万人いて団塊世代など言われていましたが、今の若年層は100万人を切ってきています。つまり、単純に「人が少ない」中で、企業が取り合う構図になっている。売り手市場化が進み、面接の中でも「実績のある人を見抜く」ことから、「原石を見抜き、育てる」力が求められるようになってきました。
――そのような状況で、面接の在り方も変わっているのでしょうか?
まさにその通りで、面接は今や「評価の場」であると同時に、「動機付けの場」でもあります。優秀な人材には、複数の企業から声がかかる。だから、ただ評価して終わりではなく、「この会社で働きたい」と思ってもらわないと次のステップにすら進んでもらえません。
例えば、私はリクルート時代に2万人以上の面接を経験しましたが、一次・二次面接の役割は「通すかどうか」だけではなく、「選んでもらうこと」に重点を置いていました。もし面接の前半でその採用候補者を合格と判断したら、残りの時間は企業理解を深めてもらうフォローアップに使う。これが今のスタンダードです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング