――優秀な人材に自分の会社の志望度を上げてもらうために、具体的にはどのようなコミュニケーションが効果的ですか?
面接は3つのステップで考えています。
まず、面接官自身が自己開示し、候補者との距離を縮めることが大切です。「どんな価値観を持ち、なぜこの会社で働いているのか」といった自身のことを話すことで、候補者が安心して話せる環境が整います。自分を明かさずに質問ばかりしてしまうと、候補者にとっては“知らないおじさんから詰問されている”ように感じてしまい、本音は引き出せません。
信頼関係が築けたら、ようやく本音が出てきます。「実は御社にはこういう懸念がある」といった不安や、「本当はこういう軸で会社を選んでいる」という本心が聞けるようになります。表面的な志望動機や建前ではなく、リアルな価値観を聞き出すためには、このステップが不可欠です。
本音を引き出した上で、それに合った情報を提供することが、真の動機付けにつながります。重要なのは、“こちらから口説く”のではなく、“相手に気づかせる”こと。例えば、競合他社と比較して説得するのではなく、「どういう軸で企業を選びたいのか?」という問いを投げかける。相手が自ら言語化した価値観に対して、「それなら当社が合っているかもしれないですね」とフィードバックする。これが「自分で決めた感覚」を持たせるアプローチです。
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