ITエンジニア600人に聞く「キャリアの不安」 AI台頭よりも怖いのは……?

» 2025年09月09日 07時00分 公開
[サトウナナミITmedia]

 キャリア不安が世代ごとに異なる様相を見せる中、経験を重ねたベテラン層では「ある懸念」が際立っているようだ――。シニアエンジニア特化のフリーランス求人サイト「レガシーフォース」を運営するモロ(東京都港区)が、40代以上のITエンジニアを対象に、働き方に関する実態調査を実施した。

photo エンジニアの働き方に関する実態調査(写真AC)

AI台頭よりも怖いのは……?

 調査では、40〜60代のITエンジニア600人(各年代200人ずつ)から回答を得た。

 今後のキャリアに対する不安について、最も多い回答は「技術の変化についていけず、スキルが古くなるかもしれない」で33.7%に上った。「年収が下がってしまうかもしれない」(30.5%)が続いた。

 年代別に見ると、50代は「年収低下」への懸念が突出する結果に。役職定年や昇給鈍化などキャリア後半特有の事情が影響していると考えられる。また、「AIの進化で仕事が奪われるかもしれない」という回答は、年代が上がるに連れて減少する傾向となり、若い世代ほどAIの影響を意識していることが明らかになった。

photo 今後のキャリアに対する不安(モロ調べ)

業務でよく使うAIツールは?

 AI技術の習得意欲については「業務で必要とされれば学ぶ」が最多で44.3%を占めた。一方で「積極的に学びたい」とした人は25.3%にとどまり、「実務に直結するかどうか」で左右される傾向が見られた。

photo AI技術の習得意欲(モロ調べ)

 新しいプログラミング言語やフレームワークについて「積極的に学びたい」は19.5%にとどまり、AI技術の学習意欲より5ポイント以上少ない結果となった。言語の学習意欲が相対的に低い背景には、移行コストや既存資産の整合負担が影響していると考えられる。

photo プログラミング言語やフレームワークの習得意欲(モロ調べ)

 業務で日常的に使用しているAIツールについては、ChatGPTが最も多く約37%を占めた。その他「Gemini(旧Bard)」「GitHub Copilot」が上位となった。

 一方で、「使ったことがない」は約33%。「使ったことはあるが業務で使用していない」は約18%となり、試用経験はあるものの実践での継続利用に至っていないケースも一定数あると考えられる。

photo 業務で日常的に使用しているAIツール(モロ調べ)

 調査は7月にインターネットで実施した。

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