福岡都市圏で不動産賃貸業を手掛ける「三好不動産」(福岡市)によると、学生へのアンケートでは家賃の安さが重視される傾向にあるが、保護者が管理人常駐や食事付きなどの物件を希望するケースが多いという。
同社広報課の齊藤寛シニアディレクターは「建築コストの高騰で家賃は上昇しているが、多少高くても安全性や食事が充実している物件が選ばれている」と説明する。
近年は設備やサービスの充実だけでなく、高級感のある物件も一定の人気を集め、内装に上質な素材を採用したり、デザイン性の高い共用スペースを設けてアピールしたりする事業者も多い。
少子化が進んでも大学などへの進学率は上昇を続けている。文部科学省によると、令和6年度の大学進学率は59.1%、専門学校の進学率は24.0%といずれも過去最高を記録した。事業者にとって学生向けマンションは入居者のターゲットを絞りやすく、収益の伸びが見込めるため、学生対象の賃貸住宅事業を成長分野と位置づける不動産サービス企業もある。事業の安定性から資金調達がしやすいことも、付加価値の高い物件増加の要因となっている。
一方、長く学生を支えてきた昔ながらの寮は岐路を迎えている。近年では金沢大(金沢市)で2つの寮が廃止となり、現役学生寮として日本最古とされる京都大の「吉田寮」(京都市)を巡っては、地震で倒壊の恐れがあるとして大学側が寮生に明け渡しを求め、訴訟に発展したことも注目された。(一居真由子)
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「47都道府県ピンバッジ」が人気 なぜ「群馬県」が断トツに売れたのかcopyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
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