業務用マッサージチェアの快進撃 破綻から甦った「あんま王」の歩み(2/3 ページ)

» 2025年09月15日 09時00分 公開
[産経新聞]
産経新聞

保守サービスにも工夫

 保守サービスも工夫した。頭を乗せる枕、背もたれなど体が直接触れて汚れやすいパーツは取り外せる。リモコンなどを含む12個のパーツを簡単に交換できるようにした。故障時には国内に約20ある委託会社が対応する修理網も整備した。

photo アイオイメディックホールディングスの城田充晴社長=東京都港区(佐藤克史撮影)

 人気のあんま王IVの価格は1台58万800円。家電量販店で60万〜70万円で売られる最上位機種をやや下回る価格だ。分割払いやレンタルも用意する。

 もともと、アイオイメディックHDの中核会社、日本メディックは1983年の設立以降、家庭用マッサージチェアの販売を行ってきた。2011年に事業拡大のためマッサージチェアを大量に仕入れた直後、メーカーの方針転換により分割払いから一括払いへの変更を余儀なくされ、資金繰りが悪化。同年、余力のあるうちにと判断し、民事再生法の適用を申請した。

 同社は代理店の立場の弱さを痛感。そこで、起死回生の策として長年培ってきた知見を生かし、日本にはなかった業務用に特化したマッサージチェアメーカーへの転身を決断した。コストを抑えるため、中国で半完成品にまで仕上げ、長野の工場で最終組み立てや検査を行い出荷する体制を整備。翌12年には初代のあんま王を完成させた。

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR