業務用マッサージチェアの快進撃 破綻から甦った「あんま王」の歩み(3/3 ページ)

» 2025年09月15日 09時00分 公開
[産経新聞]
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設置先が広がる

 マッサージチェアの主要メーカーはフジ医療器(大阪市)などだが、大半が家庭用で、業務用に特化したあんま王は斬新だ。評価は高く、12年に設置先の8割を占めた温浴施設が24年には2割になり、宿泊施設、スポーツ・娯楽施設、商業施設へと設置先が広がった。

 新型コロナウイルスの影響でブレーキがかかる局面もあったが、コロナ禍の収束後は温浴施設の入れ替え需要もあり、売り上げが回復。日本メディックの23年12月期の売上高は前期比74%増の12億7200万円と初めて10億円を超えた。

10月には新機種「あんま王V」の発売を予定する。ふくらはぎも入念にマッサージできるよう新たなローラーを装備するなど改良を加えた。リモコンも多言語に対応する。

 目下、課題はキャッシュレス対応だ。キャッシュレスは支払いが簡単になるだけでなく、利用時間などのデータが取得できる。城田社長は「例えば、利用者が少ない時間に利用すれば割引するキャンペーンや、料金変動制も導入できる」とキャッシュレスの可能性を説明する。あんま王の累計出荷台数は8月末時点で約2万2千台。隙間時間にも最適とあって業務用では国内トップシェアを誇る。販路を広げ3、4年後に3万台に引き上げるのが目標だ。(佐藤克史)

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