ITmedia ビジネスオンライン編集部のメンバーが、「いま気になるもの・人・現象」をきっかけに、社会や経済の変化を掘り下げる企画である。個人の“偏愛”を軸にすることで、記事には書き手の視点や関心が自然ににじむ。日常の小さな関心が、経済の動きや兆しとどうつながるのかを、取材を通して丁寧に伝えていく。
いきなり私事で恐縮だが、ここ10年ほど、ユニクロ以外で衣類を購入した記憶がない。
筆者はビジネス分野の記者として働いており、新商品発表会に参加したり、企業を訪問して取材したりしている。こうしたビジネスシーンで着用しているのは、ユニクロのジャケット、シャツ、チノパンだ。もちろん、私服もほぼユニクロだ。
筆者はファッションに無頓着であり、「服を購入する」行為をなるべく避けたいと考えている。そのため、仕事用とプライベート用の衣類を一度に購入できるユニクロは大変ありがたい存在だ。「ユニクロなら大きく外さないだろう」という謎の安心感もある。
ただ、「社外の人と会わない内勤とかなら問題ないだろうが、商談やプレゼンみたいな重要なシーンでも、ユニクロは通用するのか?」と疑問を抱くビジネスマンも多いのではないか。そこで、ユニクロが展開する男性用ビジネスウェアの最新状況を把握するため、都内の大型店舗を取材するとともに、この分野に詳しい専門家に話を聞いてみた。
8月下旬、都内にある大型のユニクロ店舗を訪れた。
男性向けビジネスウェアのコーナーで最も高額な組み合わせは「ストレッチウールジャケット」と「ストレッチウールパンツ」だった。店舗で採寸&オーダーすると後日自宅に届く仕組みで、取り扱い店舗は限られている。筆者が訪問した店舗では、ジャケットが1万9900円、パンツが7990円と表示されていた(ジャケットは2000円の補正料込)。ユニクロはこれらを「本格的なビジネススーツとして着用可能」「オールシーズン対応」とアピールしている。知らない間に、こんな高価格帯の商品が出ていたことに驚いた。
よりカジュアルで、手ごろな価格の商品としては「感動ジャケット」(6990円)と「感動パンツ」(2990円)の組み合わせがある。公式Webサイトでは「糸からつくり上げた独自の素材を使用することで、圧倒的な軽量化を実現」「家庭の洗濯機で洗えて、寝ている間に乾く」としている。ちなみに、ユニクロは感動パンツの誕生10周年を記念したイベントを今年の3月に開催している。ロングセラー商品として定着しているようだ。
店内にあったチラシを手に取ると、「毎日のお仕事を品よく快適に」というキャッチコピーで、感動パンツと感動ジャケットを紹介していた。価格帯的にも、ビジネスウェアの主力は感動シリーズと考えてよいだろう。
同じ売り場には、「シルクネクタイ」「レザーベルト」(いずれも2990円)も販売していた。また、感動ジャケットと感動パンツを着用したマネキンは4990円のバックパックを背負っていた。
大型店ということもあるが、久しぶりに店舗を訪れてみるとビジネスウェアのアイテムが以前より充実している印象を受けた。
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