では、ユニクロのビジネスウェアはどこまで通用するのだろうか。
「本格的なビジネススーツ」とうたっているストレッチウールジャケットとストレッチウールパンツは取扱店舗が限られており、紳士服チェーンにも置いてそうな印象を受けたので、今回は調査の対象から除外する。価格も手ごろで、判断が分かれそうな「感動ジャケット」「感動パンツ」を中心に、専門家の話を聞くことにした。
取材に協力してくれたのは、『アパレル業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』(秀和システム)の著者であり、流通小売・サービス業界のコンサルティングを手掛けるムガマエ代表の岩崎剛幸氏だ。
結論から言うと、感動パンツと感動ジャケットの組み合わせは、「商談」「初めての顧客訪問」「大事な契約」といったほとんどのシーンで着用しても問題ない。それどころか、Tシャツやチノパンといったよりラフなアイテムも、多くのビジネスシーンで使えるという。
「私自身、ユニクロで購入した4000円台のチノパンを1年くらい着用していますが、ひざの部分が抜けたり、てかったりということはありません。今どきのデザインですし、スタイリングも良い。かつてのユニクロは、価格は安くても、品質・デザインが今一つでした。しかし、今はかなり改善されてきています」(岩崎氏)
背景には、仕事でカジュアルな装いをすることへの抵抗感がなくなってきていることがあるという。クールビズの推進により職場での服装がカジュアル化した。そして、コロナ禍では、オンラインミーティングにTシャツやポロシャツで参加するビジネスパーソンが増えた。
「感動パンツや感動ジャケットに限らず、シンプルでベーシックなデザインが多いユニクロの衣類は、ビジネスシーンでも違和感がないです」(岩崎氏)
銀行で数千万円の融資を受けるための契約をしたり、ラフな装いに拒否反応を示すクライアントと会ったりするようなシーンでは通用しない可能性もある。万能ではないが、ユニクロは予想以上に幅広く使えることが分かった。
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