意外と忘れがちな電話やメールのビジネスマナーについて、研修講師・コンサルタントとして活躍している三上ナナエさんに話を聞いた。
――相手を不快にさせてしまうメールの文面には、どのような事例がありますか?
メールは顔が見えない分、相手の感情や状況が分かりません。だからこそ、たった一言で不快に感じられたり、冷たく受け取られたりするリスクがあります。
例えば、添付ファイルがない場合、「添付されていませんでした」とだけ返信してしまうと、相手を責めている印象を与えるかもしれません。そうではなく、「恐れ入りますが、こちらで添付ファイルの確認ができませんでした。お手数ですが、再送いただけますでしょうか」といったクッション言葉(例:恐れ入りますが/お手数ですが)を添えるだけで、受け手の印象は大きく変わります。
――他に気をつけるべき点はありますか?
お断りの文面においても「〜できません」といったマイナス表現ではなく、「〜いただけますと、ご利用いただけます」のようなプラス表現に置き換えることで、柔らかく丁寧な印象になります。
さらに、「申し訳ありません」ばかりを繰り返すのではなく、「失念しておりました」「私の一存では判断できかねます」など、語彙(ごい)のバリエーションを持っておくこともビジネスマナーの一つです。
――メールの構成について注意すべきことを教えてください
メールの構成にも注意が必要です。文章が長くなりがちなメールでは、「読ませる」のではなく「見せる」意識で書くことが大切です。箇条書きや改行を効果的に使い、相手が必要な情報をすぐに見つけられるようにしましょう。
加えて、「下記の件ですが」のように曖昧な表現を避け、具体的に内容を示すことも誤解防止になります。引用を適切に用い、「●月●日にご相談した●●の件について」など、明確な文脈提示が重要です。
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