「今日の仕事、どうしようかな」
「帰ったら、ゲームの続きをしよう」
「この話、どこかで聞いたな」
などと、全然違うことを考えていることもあるのではないでしょうか? たとえ、聞いていたとしても、学校で「人の話は静かに聞きましょう」と教えられてきた私たちは、「静かに」話を聞いていることが大半だと思います。
僕は、人前で話すことが仕事ですし、年に100回以上もの講演をこなしたことがあります。
「伊藤さんのプレゼンは分かりやすい」
「話が心に響きました」
とほめていただくこともあります。
それでも、そもそもの主張がずれて伝わっていたり、講演で話したことをまた質問されたり、誤解されて伝わったりと、なかなか完璧に伝わる、ということは少ないようです。だから、どんなにプレゼンがうまくなっても、こちらの言うことを100%理解してくれる、なんてありえません。
これは、相手の理解力が低いわけでも、自分の伝え方が悪いわけでもなく、コミュニケーションというものはそういうものなんです。
まずは、「みんな人の話を聞いていなくて当たり前」というところから、スタートしましょう。
「誰も人の話を聞いていないんじゃ、話しても無駄じゃない?」と思われた方もいるかもしれません。でも、だからこそ「短く話す」ことが大事なのです。
僕は「プレゼン力」は、人前で発表するスキルでも、話すスキルでもなく、人に「動いてもらう」力だと思っています。聞き手はそもそも8割方聞いていないし、理解もしていない。
そんな聞き手に対して、少しでも伝えたいことを相手の頭に残し、相手に動いてもらうためにはどうしたらいいか。そのために必要なのは、「1分で話せるように話を組み立て、伝えよう」ということです。これが基本です。
特に忙しい上司や役員などを相手にする時は、「1分」のほうが聞いてくれる確率は高いでしょう。例えば、忙しい時に仕事をお願いするお母さんを思い出すとよいかもしれません。
「今日は忙しいから、自分のお弁当箱は自分で洗って!」
「そこにある荷物は、自分で運びなさい!」
ものすごく簡潔で、誰が聞いても、何をすればいいかが分かります。仕事ではこんなに簡潔に言うと角が立ったり、状況も複雑ですから、これだけでは相手が動かないことも多いでしょうが、少なくとも何をしたらいいかが明確ですし、相手も覚えていられます。
僕が思うに、「1分でまとまらない話は、結局何時間かけて話しても伝わらない」。逆にいえば、「どんな話でも『1分』で伝えることはできる」のです。
5分で話すべきことも、30分かけて話すことも、1時間与えられた時でも、まずは「1分で話せるように」話を組み立てましょう。これができれば、格段に「伝える力」がアップします。
「話し方」本としてロングセラーとなった『1分で話せ』を、マンガに!
マンガに目に通すだけでも、簡潔に話すポイントが身につきます。「話が長い」「何言っているのか分からない」と言われたことがある方から、これからビジネスパーソンになる方まで、気軽に手に取れる内容です。
会社員の経験もある清水さんならではの分かりやすい内容。読んで面白く、ねこのイラストに癒されるだけでなく、主人公のキヨシと、猫一先生のやりとりを見ているだけで、上手に話すポイントがつかめます。
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