採用面接で「うそを話しているかもしれない」と感じたら? 応募者の本質を見抜くコツ(2/2 ページ)

» 2025年10月07日 14時35分 公開
[ITmedia]
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――応募者の話を聞いていく中で「事実とは違うかもしれない」と感じた場合、どのように対話してくのがよいでしょうか?

 過去のイベントやエピソードなどを聞いていくと、「あれ、つじつまが合わないな」「盛っているな」といった違和感を覚えることがあります。ただ、面接官はうそを見抜くために面接をしているわけではないですよね。矛盾点を問いただすのではなく、「なぜそう話したのか」「その背景にはどんな意図があるのか」を探ることで、その人らしさが見えてくると思います。

――どのように探っていくのでしょうか?

 例えば、記載してあるTOEICのスコアが高いのが気になり、証明書を出してもらえるか尋ねると「捨てちゃいました」と言われることがあると思います。それをただ否定するのではなく、「どこで受験しましたか?」「勉強のモチベーションは何でしたか?」といった質問を重ねていく。すると、やがて応募者の本当の姿や考えが見えてきます。

 面接は警察の取り調べではないので、うそや違和感があればそれを記録して後で評価すればよい。大事なのは、そのやりとりを通して「この人はなぜそう語ったのか」を探り、理解することだと思っています。

――応募者と向き合う姿勢について、改めてアドバイスをお願いします

 「面接官は応募者の人生の転機に立ち会う同伴者である」という意識です。面接は、応募者の人生の大きな節目になり得る時間です。だからこそ「うそを暴く」「優秀さを競わせる」というスタンスではなく、相手の良さを見つけ、安心して語り合える関係を築くこと。それこそが採用面接の本質だと私は考えています。

上原正光さん(本人提供)

上原正光

上原コンサルティングオフィス代表。国家資格キャリアコンサルタント、キャリアコンサルティング技能士2級。経営者のパートナーとして経営課題の解決に伴走し「本音を語れる関係性づくり」を基盤に経営と現場をつなぐ。研修講師としても離職防止やキャリア支援、管理職研修などを展開。


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