キリン、「キリングッドエール」発売 「一番搾り」「晴れ風」に続く新定番、酒税改正に備え

» 2025年10月07日 16時26分 公開
[米倉志保ITmedia]

 キリンビールは10月7日、ビールの新ブランド「キリングッドエール」(以下、グッドエール)を全国で発売した。「一番搾り」「晴れ風」に続く、次世代の定番ビールとして位置付ける。同日に開かれた発表会で堀口英樹社長は、「未来に向けたキリンの次世代定番ビール、全く新しいキリンビールが『キリングッドエール』。自信を持ってお届けできるビールが誕生した」と意気込みを語った。

キリンビールの堀口英樹社長(編集部撮影、以下同)

 グッドエールは、フルーティーな味と香り、すっきりとした後味が特徴だ。ホップには香り成分だけを抽出した「Cryo Hop」(クライオホップ)を初採用。製造でも新たな設備投資を行い、素材と製法の両面で品質を高めた。

 同社が月1回以上ビールを飲む人を対象に実施した調査では、スタンダードビールについて「せっかくなら良いものを買いたい」と答えた人が約6割に上った。グッドエールは、ビールに「ちょっとしたご褒美」を求めるニーズに応えるブランドとして構築する。

次世代の定番ビールとして「キリングッドエール」を発売

 価格は、350ミリリットル缶がオープン価格で253円。既存の一番搾りや晴れ風よりも、やや高価格帯に位置する。山形光晴副社長は価格設定について、「日常的に手が届く価格帯であることは重要。その上で、『せっかくなら良いものを買いたい』という声に応えられるビールにした」と説明した。2025年の販売目標は約60万ケースとしている。

 グッドエールの発売に合わせ、「グッドエールJAPAN」キャンペーンを展開する。47都道府県の自治体と連携し、売り上げの一部を地域コミュニティーの活性化のために寄付する取り組みのことだ。グッドエールを購入すると、350ミリリットル1缶につき0.5円、500ミリリットル1缶につき0.8円が自動的に寄付される。

綾瀬はるかさん、Mrs. GREEN APPLE、浜辺美波さん、鈴木亮平さんが登場

 ブランドリーダーには俳優の綾瀬はるかさんを起用。地元・広島で開催された「ほしぞら映画祭」の運営に参加し、その活動を追った約18分の特別記録映像を是枝裕和氏の監修で制作した。

 山形副社長は、「ビールに興味のある層に届けるだけでなく、ブランドやアクションを通じて関心を持ってもらいたい。広告でも多くの方の力を借り、発売前からさまざまな接点を増やしている」と語った。

 2026年10月には、ビール・発泡酒・新ジャンルの酒税が統一される予定だ。現行制度ではビールの税率が高いが、改正後は350ミリリットル当たり54.25円に一本化される。このためビール市場の回復が期待されており、キリンも酒税改正を見据えてビールカテゴリーに注力する方針だ。グッドエールは、酒税改正に向けて1年かけてブランドを構築し、次世代の定番ビールに育てるとした。

 競合では、サントリーが2026年10月以降、現在は新ジャンルに分類されている「金麦」シリーズを、ビールとして展開すると発表した。同社の予測によると、2027年のビール市場は2019年比で136%に拡大する見込みだ。

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