Amazon Adsでは、画像・動画・音声などの広告素材を生成AIで自動生成できる機能を拡充することで制作リードタイムを大幅に短縮し、出稿数とクリエイティブの多様性を両立しています。日本でも前述のようにパルコが全面的にキャンペーンの広告物を生成AIで制作しています。ビジュアル、映像、音楽、コピーまで一貫生成し、SNS波及と来館促進を両立して話題を呼びました。百貨店ではバレンタイン催事でAIキャラクターを接客に活用するなど、商戦期限定の話題喚起にも応用されています。
生成AIが最も威力を発揮している領域の一つが「目的ベースの検索」です。
ウォルマートでは「サンクスギビングのディナーを準備したい」と入力すると、AIがターキーを中心に付け合わせの野菜、デザート、調理器具まで自動的に提案します。さらに、関連レシピや調理時間、必要人数に応じた数量調整まで提示し、購買体験そのものをストーリー化しています。米国ではこのように購買プロセスの自動生成が始まっていますが、日本はまだ「検索補助」「おすすめ表示」の段階にあり、今後大きな伸びしろを残しています。
米ターゲットは店舗スタッフ向けの生成AIチャットボット「Store Companion」を導入し、接客マニュアルやトラブル対応を即時回答する仕組みを整えました。ウォルマートも社内業務支援ツール「My Assistant」を導入し、レポート作成やアイデア出しを効率化しています。国内でもバックオフィスや教育分野から導入が始まり、店舗での問い合わせ対応や新人研修に応用する流れが出ています。
年末商戦などの季節商戦においても生成AIの活用チャンスが多く存在します。従来は年間の販促計画を1年前から考察し、各企画を展開する3カ月前くらいから企画の深堀りや制作物(POPやチラシ、広告など)の制作を開始し、担当する広告会社のプランナーやデザイナーと小売企業側の販促担当者によって内容を吟味してきました。そこへ生成AIを活用し、よりスピーディによりニーズ対応力を高め効果を検証していく動きが広がってきています。
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