帝国データバンクは10月28日、上場企業を対象に2025年の猛暑の影響について調査した結果を発表した。調査によると、猛暑・酷暑の影響について情報を開示した企業は、10月16日までに少なくとも183社に上り、前年同期(102社)から81社増加した。
なお、本調査での「プラス影響」「マイナス影響」は帝国データバンクの判断による。
このうち、売り上げの増加や新商品の開発など、自社の業績や企業活動に「プラス効果」があった企業は114社で、全体の62.3%を占めた。増収・増益など、業績面でのプラス効果を見込む企業は85社だった。
プラス影響を受けた企業114社のうち、最も多かったのは「小売業」(45社、39.5%)で、前年同期の1.8倍に増えた。
帝国データバンクは、夏物衣料や冷感商品、エアコンなどの空調機器、ハンディファンなど猛暑対策グッズの需要が急増したと分析。さらに、熱中症対策による清涼飲料水やアイスクリームなどの販売が増えたことも追い風になったとした。
また、ショッピングセンターやスーパーなどの屋内施設では「避暑」需要を取り込み、集客力の向上、滞在時間の長期化で消費につながったことも指摘した。
「製造業」も30社がプラス影響を受け、前年(15社)の倍に増えた。エアコン関連部材やボディーケア製品、飲料水、耐熱・遮光製品など、さまざまな商材で恩恵が見られた。
一方、マイナス効果があった企業は69社(前年39社)で、前年同期と比べて30社増加した。業種別では、プラス効果の調査と同様に「小売業」が28社で最も多く、前年より10社増加した。
帝国データバンクによると、飲食店など路面店を展開する企業で「猛暑による外出控え」が影響し、来店客数が減少するなどの影響があったと分析。また、インドア関連の商品が好調だった一方で、アウトドア用品やガーデニング関連など屋外活動の商材を扱う業態は苦戦が目立った。
「製造業」(16社)では、濃厚ドリンクの需要減少や原材料費の高騰を背景に、食料品の厳しい状況が見られた。
同社は今後について、「猛暑が経済活動に与える影響は気温上昇に連動して一層大きくなる」とし、「企業の戦略や取り扱い商品によって業績面でも二極化が進む可能性がある」と指摘した。
病院・クリニックの倒産、過去20年間で2番目の高水準に 中堅病院の倒産が増加
もう、ショッピングセンターはバンバンできない! オープンから3カ月で退店のテナントも…… 厳しすぎる“戦国時代”に突入したワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング