意見が違うとき、つい「どちらが正しいか」で語ろうとしてしまいがちです。しかし、違いの背景には立場や経験、価値観が存在しています。だからこそ、意見を伝える前にその背景を共有することが大切です。
「私はこういう経験があって、こう考えている。でもこのやり方は違うと思う」
こんなふうに、ワンクッション置いてから意見を述べることで、相手の価値観を否定せずに対話できます。
また、話が長くなりがちな人への対処も重要なスキルです。強引にさえぎると、信頼を損なう恐れがあります。そんなときは、ファシリテーターが一度、相手の話を要約し、「つまり、こういうことですね。それを踏まえて……」とていねいにつなぐことで、感情を尊重しながら、場を整理できます。“話を奪う”のではなく、“整理して渡す”こと。それが、対話を壊さずに進めるためのコツなのです。
「対話できるチーム」には、明確なルールや肩書きだけでなく、前提の共有や信頼の土台といった目に見えない設計が存在しています。その設計を支えるのは、日常の何気ない問いかけや意見の背景を尊重する姿勢、対話の準備を怠らない心がけです。ファシリテーションとは特別なスキルではなく、関係性にまなざしを向ける態度です。違いを力に変えるために、今日も小さな対話から始めていきましょう。
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