美容室倒産が最多ペース、その背景は?(1/2 ページ)

» 2025年11月03日 08時00分 公開
[堀内ひろITmedia]

 東京商工リサーチ(東京都千代田区)は、1〜9月の美容室の倒産件数が92件(前年同期比5.7%増)に達し、集計開始以来最多となったと発表した。

photo 東京商工リサーチが調査(出典:写真AC)

 このままのペースで推移すれば、2025年は前年の114件を超え、過去最多となる可能性がある。

photo 「美容業」倒産 件数推移(出典:プレスリリース、以下同)

 倒産の主な原因は「販売不振」で、77件(前年同期比4.9%減)と全体の8割を占めた。以下「事業上の失敗」(前年同期2件)と「既往のシワ寄せ」(同1件)が各4件、「過小資本(運転資金の欠乏)」(同0件)と「他社倒産の余波」(同1件)が各3件と続いた。

 形態別にみると、最多は「破産」の85件(前年同期比11.8%増)で、再建型の民事再生法は7件(前年同期8件)にとどまった。経営悪化はサービス低下につながり、来店客数が減少すると再建の難易度が一段と高まる。

 負債額別で最多は「1000万円以上5000万円未満」が78件(前年同期比1.2%増)で8割を超えた。以下「1億円以上5億円未満」が8件(前年同期2件)、「5000万円以上1億円未満」が6件(同8件) だった。美容室は小資本で開業することが多く、そのため負債規模も小さい傾向にある。

 資本金別にみると、「個人企業他」が39件(前年同期比8.3%増)で最多で、「100万円以上500万円未満」が29件(同35件)と続いた。1000万円未満は86件(前年同期81件)で、ほとんどが小・零細規模だった。

photo 「美容業」倒産 形態別(1〜9月)
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