純金の「大谷翔平」に「ルパン三世」……各社が熱視線、令和の“ゴールドラッシュ”はどこまで続くのか?(2/3 ページ)

» 2025年11月26日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

人気過熱によって一部で「製造停止」も

 価格高騰に乗り遅れまいと、個人の消費者も金に手を出し始めた。田中貴金属が運営するギンザタナカ銀座本店には連休中などに金購入者の行列ができるという。同社は整理券を配るなどして対応している。貴金属店に個人投資家が群がる事例は海外でも起きている。

 人気により、そもそも金地金の製造が追いつかない事態も発生している。田中貴金属では5グラム〜1キロの金地金を取り扱うが、そのうち5・10・20・50グラムの金地金は現在、需要急増により製造が追いつかないため、販売を停止している。三菱マテリアルも同様に軽いサイズの金地金を当面の間、販売停止とした。

純金の大谷に、ルパン……各社が関連商品を発売

 人気を受けて、金を使った関連商品も増えている。イオンでは冒頭で挙げた銚子セットのほか、800万円弱の「おりん」や、約550万円の純金小判を販売している。もっとも、小判は1グラム当たり5万円以上であり、重量だけで判断すると相場よりはるかに割高だ。

光則MITSUNORI 純金 銚子セット(画像:イオンリテール提供)

 高島屋では2026年の福袋で、限定1個で「純金サッカーボール×純金のキャプテン翼フィギュア福袋」(1億2000万円)の抽選販売を実施。高島屋大阪店で実施した「大黄金展」では、金買取販売のSGCが大谷翔平選手の黄金像を展示して話題を呼んだ。金箔1550枚を使用した等身大の像で、打席に立ったポーズを取る。参考価格は5500万円だという。

多数の金箔を使った、等身大の大谷翔平像も登場した(出所:プレスリリース)

 その他、ニッポン放送プロジェクトでは映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』の公開を記念して、ルパン三世の純金フィギュアを55万円で発売、5種類の純金カードも各6万円で発表した。同社は他にも『宇宙戦艦ヤマト』の放送50周年を記念して、純金フィギュアを発売していた。

 これらはいずれも企業の規模を考えると大きな収入とはいえず、あくまでも宣伝手段として金を利用していると考えられる。

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