DXや生成AI活用が進む一方で、意外な市場が存在感を高めている。文房具メーカーだ。キーボード入力が当たり前の時代にもかかわらず、国内文房具メーカーは増収増益を続け、海外市場でも評価を高めている。成熟市場と思われがちな文房具業界で、何が起きているのか。東京商工リサーチが調査を実施した。
同社の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度の売上高は6858億2300万円、最終利益は640億7000万円となり、いずれも前年度を上回った。売上高・利益ともに2018年度以降で過去最高を更新しており、堅調な成長が続いている。
各社は筆記具にとどまらず、手帳や消しゴム、マスキングテープなど、大人向け商品の開発も強化している。コロナ禍の2020年度には売上高が6000億円を下回ったものの、その後は価格改定の浸透や海外需要の拡大を背景に回復。2024年度の売上高は前年比6.0%増、最終利益は同33.1%増と、大幅な増益を達成した。
個別企業の動きも好調だ。コクヨは2025年12月期の売上高を3570億円(前期比5.4%増)と見込んでいる。筆記具を主力とするパイロットコーポレーションも同1330億円(同5.4%増)を予想。三菱鉛筆も2025年12月期第3四半期までの売上高が640億8100万円と、過去最高を更新した。
国産メーカーは、速乾性に優れた蛍光ペンや軽い書き味のボールペンなど、細部にこだわった製品開発で差別化を図ってきた。東京商工リサーチは「こうした品質の高さがインバウンド需要を通じて世界に知られ、輸出の拡大にもつながっている」と分析した。
調査では、万年筆・ペン類・鉛筆製造業、毛筆・絵画用品製造業(鉛筆除く)、その他の事務用品製造業に分類される150社を抽出し、2018〜2024年度の業績を比較した。
ラーメン店倒産、4年ぶり減少 “コスト高”でも生き残る店の条件とは?
「人手不足倒産」が過去最多ペース 企業を追いつめる「人件費増加」「採用難」の二重苦
日本の「モノづくり」危うし 金型産業の倒産・廃業が最多ペース 淘汰が進む背景は?
退職代行サービス、弁護士運営は約3割 急成長の裏で灯る“黄信号”Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング