山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
家具販売大手のニトリホールディングス(HD)が苦戦している。コロナ禍では巣ごもり需要により業績を伸ばしたが、2024年3月期にピークアウトし、2025年3月期は前年比で3.6%の増収になったものの、営業利益は5.3%のマイナスとなった。今期も半期時点で減収減益だ。
国内のピークアウトは以前から予想されていたため、ニトリHDは島忠の子会社化や海外展開など、多角化を進めてきた。だが、いずれも不調である。家電や調理器具といった家具以外を強化しているが「強力なライバル」がいる分野であり、実店舗ではその迷走ぶりがうかがえる。
1967年に札幌市で創業したニトリは2000年以降の成長が著しく、現在は国内外に1000店舗超を展開する。通期として直近の決算である2025年3月期の売り上げは約9289億円と、1兆円をうかがう勢いだ。
国内家具市場の規模は1991年に3兆円のピークを迎えたが、バブル崩壊後は低価格化が進み、現在では1兆円ほどまで縮小している。衣料品の低価格化に合わせてユニクロが台頭したのと同様、ニトリは低価格化時代に家具を安く提供することで、消費者の支持を集めた。2015年以降は駅周辺の商業施設に出店し、都市部を強化している。
ニトリは家具の設計・製造や物流、販売までを一貫して手がけることにより中間コストを削減し、低価格化を実現している。小ロット品は国内の家具メーカーから調達するが、売れ筋の商品は東南アジアの自社工場で大量生産するなど、調達網を使い分けている。
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