“オヤカク”は今や必須? 企業も無視できない最強メンターと化した「親」の存在(2/2 ページ)

» 2025年12月29日 08時00分 公開
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就活だけでなく内定式にまで

 ただし、当時と異なるのは親子の距離感だ。後に見るように、今の親子関係は過去に比べてとても親密だ。そのため企業からすれば、親を囲い込めば、きっと息子/娘を諭(さと)してくれるに違いない、という期待が透けて見える。

 例えば、前述のマイナビの調査によれば、内定式や入社式への招待の連絡が来た親は17.6%と2割近い。

 入社式に新入社員の保護者を招待しているとある食品会社では、入社式で新入社員が大切な誰かへ今の想いを伝える時間が設けられている。

 その様子を取材したテレビ報道では「お父さん、お母さんへ。今まで育ててくれてありがとう」「お母さんの夢の二世帯住宅を建てることを忘れせん。絶対叶えます」といった結婚式さながらのスピーチを新入社員がしている様子が放送された。

 この企業では入社式後に親を対象とした工場見学も行い、従業員の家族に会社を知ってもらう工夫を重ねているそうだ。

 「若い人材を確保したいというのは分かるけど、なんでそこまで親にアプローチするんだ?」と疑問に思った人もいると思うが、人事担当者がこのように親にフォーカスした施策に打って出るのにはちゃんと理由がある。

 それは、現在の若者の就職活動において、親の存在感が無視できないからだ。

 マイナビの「2026年卒 内定者意識調査」では、学生の65.1%が内定の意思決定の際に「親・保護者」に助言や意見を聞いている。これは「学校内の友人(2位で27.2%)」「就職関連の学校職員」「教授」など他の相談相手を大きく引き離しており、親の影響力が際立つ数字だ。

 就職先をここ、と決める時ぐらいはそりゃ相談するだろう、という見方もあるので、私たち生活総研が2025年3月に実施したWeb調査(全国19〜22歳の未婚男女2473人に実施)において、親に「就職や仕事、キャリアのことを相談するか」を聞いてみた。

 これはマイナビが調査している内定の意思決定に関する相談よりも広範囲のものだが、父母いずれかに相談している若者は46.4%に達する。その内訳は、父親29.8%、母親41.7%となっていて、母親が優勢だ。

 いずれにしても今の若者のほぼ半数が、普段から将来のキャリアについて親とコミュニケーションしているのだ。

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