この記事は、金間大介氏、酒井崇匡氏の著書『仕事に「生きがい」はいりません 30年の調査データが明かすZ世代のリアル』(SBクリエイティブ、2025年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
「なぜ現在の若者たちは仕事に対する熱意が低いのか」を解く手がかりとして、「仕事のやりがい」をキーワードに探ってみよう。
ここで、生活総研の「若者調査」のデータをご紹介したい。この調査では、メインの調査対象者は1994年、2024年ともに19〜22歳の未婚の若者だが、2024年には49〜52歳のミドルエイジの男女200人にも全く同じ手法と内容で調査が行われている。
「若者調査をなぜ中年に?」と思われるだろうが、要は1994年に調査対象者だった若者が30年後、中年になった今はどのような意識を持っているかが聴取されているということだ。その中から興味深い結果を見てみよう。
※カッコ内の数値はすべて「1994年の若者たち」→「彼らの30年後」(2024年の若者たち)
調査によると、親世代(先輩世代)、若者世代ともに、仕事で自分の可能性を試すようなことは求めない傾向にあり、やりがいや責任よりも気楽さを選ぶという傾向が強まっていることが明らかになった。さらに、次のデータも見てみよう。
※カッコ内の数値は「1994年の若者たち」→「彼らの30年後」(2024年の若者たち)
ご覧の通り、「仕事の面白さ」よりも「給料」を選ぶ人は倍近くに増えている。つまり、まとめるとこういうことだ。仕事の「気楽さ」と「やりがいや責任」を比べると、「気楽さ」が勝つ傾向が強まっている。また、「給料」と「仕事の面白さ」を比べると、「給料」の優先傾向が際立つ。
ということは、要するに仕事の「やりがいや面白さ」の一人負け状態が続いているのだ。良い給料は欲しいし、気楽さも捨てがたい。その2つが担保されるなら、仕事のやりがいや面白さは不要です――。そんな若者が増加しているということだ。
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