“サボり”は美徳か、裏切りか? 「効率化」と混同される危険な言葉「キレイごとナシ」のマネジメント論(3/4 ページ)

» 2026年01月09日 08時00分 公開
[横山信弘ITmedia]

「ラクをする」と「サボる」は似て非なるもの

 とはいえ、冒頭の若手社員が言いたかったことも理解できる。「真面目にコツコツやることだけが正義ではない」と言いたかったのだろう。

 ここで重要になるのが、「サボる」と「ラクをする」の区別だ。

 私は常々「仕事はラクにすべきだ」と考えている。ここでの「ラク」とは、あまりストレスをかけず、できるようになっていることを指す。

  • 無駄な会議をなくして時間を短縮する
  • ITツールを使って手作業を自動化する
  • 業務プロセスを見直してストレスを減らす

 このような工夫は「ラクをする」ための行為だ。決して「サボる(義務の放棄)」ではない。むしろ、より高い成果を出すための「改善(カイゼン)」とも言えよう。

 先ほどの三面等価の法則で言えば、「権限」を最大限に活用し、「責任」をより効率的に果たそうとしている状態だ。

業務の効率化は「サボる」ことではない

 「1時間かかる集計作業を、マクロを組んで1分で終わらせました」

 これは素晴らしいことだ。空いた59分で、別の価値ある仕事ができるからだ。これはサボりではない。イノベーションだ。

 しかし、次のようなケースはどうだろう。

 「1時間かかる集計作業が面倒なので、適当な数字を入れて提出しました」

 これは明らかに「サボり」だ。正確なデータを出すという責任を果たしていない。

 「AIに議事録を書かせました。内容はチェックしていませんが、たぶん大丈夫です」

 これもサボりだ。議事録としての正確性を担保し、報告するという義務を果たしていない。

 違いは明確だ。「責任と義務」に向き合っているかどうか、である。

 工夫をしてストレスがかからないようにする。もっと効率的に効果的にやるためにはどうしたらいいかを考える。それを実行するのは素晴らしいことだ。

 しかし、それを「サボる」と表現しないほうがいいだろう。

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