一方、AIを使い慣れている若い部下のアプローチは全く違っていた。
部下は戦略を考えさせる前に、まず「効果的な戦略を考えるために何を準備すべきか」を質問した。AIは「3C分析」を勧めてきた。部下は次に、3C分析のためにどのようなデータを準備すればいいかを尋ねた。
必要なデータが明確になると、部下はそれらを収集し、AIに分析させた。そして仮説を立てさせた。どこにリソースを集中させるべきか。AIからは4つの選択肢が提示された。
部下はそのうち3つは現実的にはあり得ないと判断。残った1つの選択肢について、上司や関係者に可能性を尋ねてみた。すると「不可能ではないが、実行するには専務を説得しなければならない」ことが分かった。
そこで部下は、専務の性格や価値観を整理し、どうすれば納得してもらえるかをAIと壁打ちした。説得のシナリオを複数パターン作成し、想定される反論への対応策も準備したのだ。
ここまで、何が違うのか? それは「具体と抽象の往復」である。
部長は抽象的なことばかりをAIに尋ねた。だからAIも抽象的でもっともらしい答えしか出せなかった。一方部下は、抽象的な問いを具体的なタスクに分解し、具体的なデータをもとに分析させた。そして出てきた選択肢を現実の制約条件と照らし合わせた。そしてまた具体的な課題(専務の説得)に落とし込んでいった。
この具体と抽象の往復運動ができるかどうかが、AIを使いこなせるかどうかの分かれ目である。
部長は社歴25年以上のベテランだ。一方部下は入社してまだ3年。経験も知識も、部長のほうが圧倒的に上である。最終的な判断は、部長のようなベテランがすべきだろう。しかし、AIを使いこなす能力は、社歴や経験とは別物なのだ。
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