また、やせ薬の服用者が副作用を抑える目的でプロテインに頼り始めており、価格高騰に影響を与えている。肥満が深刻な米国では空腹感を抑える効果がある肥満症治療薬も普及した。人口の10%超が使用しているという調査結果も出ている。
一方でこうしたやせ薬では筋力低下や栄養不足、抜け毛などの副作用が発生しやすいとされる。そのため、副作用を抑える目的でプロテインを購入する人が増えているのだ。やせ薬服用者を対象としたアイスやパスタなどの高タンパク食品も次々に現れ、プロテイン人気に拍車をかけている。
国内ではあるYouTube番組をきっかけに「マンジャロ」の名称でやせ薬が知られるようになった。マンジャロを服用するクリニックの中には、明確に「プロテインを飲むとよい」と推奨する施設も数多く存在する。
厚生労働省はXで「【マンジャロは糖尿病のお薬です】マンジャロは『糖尿病』の治療を目的に承認された薬です。ダイエットなど、本来の目的以外で使用した場合、思わぬ健康被害が生じるおそれがあり危険です。医療者から薬のリスクについて十分な説明を受け、薬について正しく理解することが重要です」と呼び掛けている。
プロテイン製品は生命維持に必ずしも必要なものではない。ボディビルダーやアスリートのような身体を目指さない限り、肉類や魚類で十分な量のタンパク質を摂取できる。しかし「太らずにタンパク質をとりたい」「やせ薬の副作用を抑えたい」といったニーズがあり、タイパやコスパを重視する消費者の間でプロテイン製品が売れるようになった。その背景にあるフィットネス需要拡大と肥満症治療薬の人気は収まりそうになく、価格上昇は今後も続くかもしれない。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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