従業員の皆さんが「あれ?」と思っている社内規定や人事制度。人事や総務など管理部門の皆さんが「こんなときどうすれば……」と迷っている制度設計や問い合わせ対応。そうした疑問を、社会保険労務士の佐藤敦規先生に聞いてみました。
佐藤敦規(さとう あつのり)
社会保険労務士。中央大学文学部卒。50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。 社会保険労務士としての活動以外にも、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「プレジデント」などの週刊誌やウェブメディアの記事を執筆。 著書に、『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)、『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
Q: 社員が個人のSNSで顔を出し「某IT企業勤務の1日」など、勤務先の業界や仕事内容が推測できる投稿をしています。現時点で機密情報の漏えいや会社への批判はありませんが、今後のトラブルが心配です。会社は社員に対し、こうした投稿を控えるよう求められますか?
A: 会社や業務に関する内容を個人のSNSへ投稿しない、というルールを設けることは可能です。今回のケースでは「顔を出していること」そのものより、会社や業務に関する情報をどこまで発信していいいのかを考えます。
例えば、入社時に誓約書を交わし「会社や業務に関する情報をSNSへ投稿しない」と定めておけば、ルールに反する投稿があったときに注意や指導をしやすくなります。
入社時にそうしたルールを設けていなかった場合でも、後から整備することはできます。社員と改めて合意したり、就業規則にSNS利用に関する規定を加えたりする方法があります。
また、対象を正社員だけに限定しないことも大切です。アルバイトやパートの投稿が問題になるケースもあるため、雇用形態にかかわらず、会社や業務についてどこまで発信していいのかを共有しておく必要があります。
実際にルールに反する投稿があった場合、まずは投稿を控えるよう注意したり、今後の発信方法について指導したりできます。
ただし、減給や出勤停止など、重い懲戒処分まで行うのであれば話は別です。投稿の内容や、実際に会社へどの程度の影響が出たのかを確認し、処分の重さに見合う事情があるかを見極める必要があります。
「SNSを使うこと自体」を問題にするのではなく、会社としてどの情報を外に出してほしくないのかを明確にする。その上で、ルールに反する投稿があったときは、影響の大きさごとに対応していきましょう。
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