新聞販売店が苦境に立たされている。東京商工リサーチの調査によると、1〜7月に発生した新聞販売店の倒産件数は31件(前年同期比29.1%増)だった。同期間で比較すると、2007年以降最多の倒産数を記録した2024年(33件)に次ぐ、2番目の高水準だった。このままのペースで推移すると年間50件を超え、過去20年間で最多となる可能性もある。
倒産を原因別にみると「販売不振」(24件)と「既往のシワ寄せ」(2件)を合わせた「不況型倒産」(26件)が全体の8割を占めた。負債額別では「1億円未満」(26件)が全体の8割を占めた。
産経新聞社は8月6日、東北6県における産経新聞とサンケイスポーツの発行を11月30日に休止すると発表した。2025年8月には朝日新聞、産経新聞、毎日新聞が土曜日の夕刊を休止。スマートフォンやニュースアプリの普及で紙の新聞を読む機会が減少し、新聞発行の縮小に歯止めがかからない状況だ。
新聞の休廃刊が進む背景には、購読者の新聞紙離れと広告収入の減少がある。日本新聞協会によると、新聞の発行部数は2025年10月時点で2486万部と、2000年の約5370万部から半減。2005年以降、21年連続で部数減が続いている。2025年における1世帯当たりの購読部数は0.42部で、新聞購読世帯が総世帯数の半分にも満たない。
新聞配達の人手不足も深刻だ。配達員の高齢化と賃上げの流れが強まる中、人材確保がままならない新聞販売店も多い。さらに新聞用紙やインクなどの原材料高騰や、輸送コストの上昇も追い打ちをかける。
東京商工リサーチは「逆風の中、地域に密着した営業スタイルを生かして新聞販売以外の分野にも進出するか、事業継続を断念するか。多くの新聞販売店が岐路に立たされている」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング