山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
JR東日本は10月20日、コード決済サービス「teppay」(テッペイ)をリリースした。スマートフォンを通じてSuicaを利用できるアプリ「モバイルSuica」上で使える。Suicaの入金上限額である2万円を超えてチャージできる点が強みだ。約4500万を超えるモバイルSuicaの利用者を取り込み、鉄道を軸とした経済圏を強化する構えだ。
決済方式はコード決済で、Suicaの強みであるタッチ決済には対応していない。また、クレジットカードを通じたチャージは、JR東日本グループが発行する「ビューカード」に制限している。ユーザーの評価は賛否両論だ。teppayがリリースに至った経緯とその特徴を探っていく。
teppayは、モバイルSuicaアプリ内で画面を切り替えて利用できる。支払い機能の他、ユーザー間における残高の送金や定期券の購入機能などがある。2027年春には交通系IC「PASMO」を提供するパスモ(東京都新宿区)と連携し「モバイルPASMO」でも利用できるようにする。
店舗での支払い方法はPayPayと同様で、店舗側の端末でアプリに表示したコードを読み取るか、店舗にあるQRコードをアプリで読み取る。「teppayマーク」または「Smart Codeマーク」がある店舗で利用でき、対象店舗は170万カ所を超える。Smart CodeとはJCBが提供する決済システムで、JR西日本が2025年にリリースした決済サービス「Wesmo!」(ウェスモ)などにも採用されている。
現時点で、店頭でteppayコードを見かける機会は少ないが、Smart Codeを採用しているため大手コンビニや家電量販店、飲食店各社で利用可能だ。ただし、導入店舗数は2023年3月時点で235万カ所と公表していたPayPayよりも少ない。
JR東日本は2024年12月、Suicaの上限額(2万円)を超えるコード決済機能の導入を公表し、2025年11月にサービス名を「teppay」にすると発表した。Suicaは駅ナカや周辺の商業施設で使えるものの、高額決済の利用者はクレカや他の決済サービスに流れていた。
teppayでは1回、1日、1カ月当たりのチャージ上限額をそれぞれ設定している。本人確認を実施して銀行口座からチャージする場合、上限額はそれぞれ10万円、15万円、30万円だ。本人確認をしていない利用者は5万円、10万円、10万円が上限だ。
そもそもSuicaはなぜ、上限を2万円としているのか。JR東日本は各メディアの取材に対し、不正利用の防止やセキュリティ面を考慮したためと説明している。また、2001年のサービス開始当時は、現在ほどキャッシュレス決済が普及しておらず、硬貨を扱う手間を省くことに狙いを定めていたという。
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