ガソリンスタンドを運営する事業者の撤退が加速している。帝国データバンクの調査によると、2026年1〜8月に発生したガソリンスタンド運営事業者の倒産、休廃業、解散は計144件だった。1〜8月の期間で見ると、過去10年で最も高い水準となった。年間では、8年ぶりに200件を超える可能性がある。
人口減少や高齢化、ハイブリッド車や電気自動車の普及により、燃料需要は中長期的に減少傾向にある。一方、燃料価格の上昇によって売上高を維持できるケースはあるものの、セルフ式や大手チェーンなどとの価格競争が激しく、ガソリン1リットル当たりの利益は数円程度と低い。こうした中、車検や洗車、板金整備、レンタカーなどの「油外収益」が重要になっている。
しかし地方では、商圏人口の縮小により油外サービス需要も限定的で、採算を取ることが厳しくなっている。にもかかわらず「地域唯一」の給油所であることから、営業を続けざるをえないケースも少なくない。設備維持費や人件費といった固定費をまかなうだけの売上高を確保できず、事業継続が難しくなる事業者が増えているとみられる。
損益動向を見ると、地方に本社を置く事業者の赤字割合が最も高く、4社に1社が赤字だった。一方、首都圏を拠点とする事業者でも赤字割合は2割を超えている。
首都圏では、セルフ式や大手チェーン、量販店との価格競争に加え、地価や人件費の高騰が利益を圧迫している。さらにハイブリッド車や電気自動車の普及台数が多く、自動車を保有しない世帯の増加も重なり、人口規模のわりに燃料需要が減少しやすいことも背景にある。
経済産業省はガソリンスタンドの維持が難しい過疎地などを対象に、選定した店舗を集中支援する仕組みを模索するなど、地域の給油拠点の支援を進めている。帝国データバンクは「今後、地方のクルマの電動化が進む可能性に加え、整備士などのスタッフ不足や低収益など課題は多い。地域のインフラ拠点としての役割と、持続可能な収益力をどう両立させるかが問われている」とコメントした。
調査は法的整理をした負債1000万円以上の企業と、特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、もしくは商業登記などで解散(ただし「みなし解散」を除く)を確認した企業を対象に実施した。調査期間は1月1日〜8月31日。
ホンダ、EV→ハイブリッド車に方向転換で三部社長が語る勝算 上場以来初の最終赤字を挽回できるか【要点まとめ】
マツダ「29歳元ゲームプログラマー」が挑んだ新型CX-5開発 『頭文字D』が好き――異色の若手エース、仕事術と憧れCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング